今年9月のヨーロッパ連合の非公式会合では、メルコスールに対して年間7万トンの食肉並びに60万トンのエタノールの輸入関税撤廃を提示したにも関わらず、メルコスールにとっては、到底受け入れられない非輸入関税枠となっている。
しかしヨーロッパ連合は、メルコスール域内のブラジル並びにアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイから年間10万トンの砂糖の輸入枠設定を準備しているにも関わらず、1トン当たり98ユーロの輸入関税をかける。
メルコスールからの砂糖輸出に対する1トン当たり98ユーロの輸入関税は、受け入れられるものではないとサンパウロ州砂糖キビ加工業者連合(Unica)のGeraldine Kutas上級顧問は指摘している。
ヨーロッパ連合の中でもメルコスールからの食肉輸入枠拡大に反対しているのはフランスやアイルランドの食肉生産国が中心となっている。ヨーロッパ連合は、年間平均24万6,000トンの食肉を輸入しているが、輸入食肉の74%はメルコスールであると指摘している。
またヨーロッパ連合は60万トンのエタノールの輸入関税撤廃では、40万トンが工業部門向けエタノール、20万トンは燃料向けエタノール枠となっているが、これは2004年の輸入枠と同じで一向に自由貿易協定の話し合いは進展していないとUnicaのGeraldine Kutas上級顧問は指摘している。
ヨーロッパ連合は、2週間後にブエノス・アイレスで開催される会合に向けて、ヨーロッパ連合産鶏肉並びに粉ミルク輸出に対する通関短縮を要請、また輸入免税率を92%から93%に引き上げると約束している。
メルコスールでは、ヨーロッパ連合が提示している年間7万トンの食肉並びに60万トンのエタノールの輸入関税撤廃では不十分であると指摘して交渉が難航している。
またブラジルが採用している輸出する商品を製造するため有税で輸入通関した原材料、部品、構成品、副資材、梱包材などを再度、補充品として輸入する際、前回輸入した同一商品、同じ金額、同じ数量を輸入する場合に免税する方式の「ドローバック免税方式」に対して、ヨーロッパ連合は撤廃を求めている。(2017年11月28日付けヴァロール紙)