世界銀行は、2015年に新たに就任したジョアキン・レヴィ財務相に連邦政府の補助金制度や減税政策見直しによる経済成長率の目標達成の可能性を示唆、これには公務員のサラリー凍結や公立大学の学費免除の見直しなどが含まれていた。
世銀では、補助金制度や減税制度見直しで連邦政府による支出削減はGDP比8.36% まで可能であると見込んでおり、連邦政府による支出削減はGDP比4.74%、減税政策の見直しでGDP比2.33%、地方政府(州政府・市役所)による支出削減はGDP比1.29%まで可能と見込んでいる。
世銀では、2017年5月の年金・恩給改革案が実施されれば連邦政府にとって2026年までにGDP比1.8%に相当する支出削減に繋がると指摘、年金・恩給改革はブラジルの経済成長にとって不可欠となっている。
また世銀では、連邦政府職員の平均給与は民間企業よりも67%高く、ブラジルと同等レベルの53か国の平均給与誤差16%を大幅に上回っているために、連邦政府職員の平均給与を民間企業との誤差を半減すればGDP比0.9%の支出削減に繋がると指摘している。
また1人当たりの世帯月収が最低賃金の4分の1未満で、勤労不可能な高齢者および障害者に対して、最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada – BPC)の変更、農業従事者の年金支給計算方法の変更、貧困削減のためにボルサ・ファミリア・プログラム見直しでGDP比0.9%の支出削減の可能性を指摘している。
勤続期間保障基金(FGTS)の改革及び失業保険の見直しでGDP比0.6%の支出削減、公立大学の学費免除見直しでGDP比0.5%の支出削減の可能性を世銀では指摘している。
また世銀では、ブラジルの民間部門向け減税政策の見直しでは、零細・小企業向け簡易税務申告制度(Simples Nacional)の見直しでGDP比1.2%、自動車業界向けの技術開発投資振興計画(Inovar Auto)の見直しでGDP比0.03%、産業界50セクターに対する社会保障院(INSS)への従業員給与額の納付率免税の見直しでGDP比0.4%、マナウスフリーゾーンの減税制度の見直しでGDP比0.4%の支出削減を指摘している。(2017年11月22日付けエスタード紙)