5月中旬にテメル大統領がペトロブラス汚職捜査で勾留中の前下院議長エドゥアルド・クーニャ被告への黙秘に対する支払いを承認する様子を密かに録音したテープを大手食肉加工会社JBS社の幹部2人が最高裁判所に提出したとの「O Globo」紙の報道を受けて、テメル政権存続などブラジル政界が混乱に陥って見通しが全く不透明となっている。
しかし5月の経済指標では、JBS社のバチスタ兄弟の盗聴スキャンダルによる顕著な影響は表れていない。しかし長期投資が必要な製造業部門への影響は避けられないと見込まれる一方で、継続している金利の低下並びに低率で推移しているインフレ指数で商業部門並びにサービス部門への影響は少ないと予想されている。
Tendencias Consultoria社エコノミストのブルーノ・レヴィ氏は、政治スキャンダルによる影響は、6月から投資部門並びに製造業部門に表れると見込んでおり、第2四半期のGDP伸び率は、前四半期のGDP伸び率よりも減少すると予想している。
5月の自動車生産は前月比9.0%増加したものの自動車販売は2.0%増加、トラックの通行量は2.7%増加している。また製造業部門の経済指標と一つである段ボール箱販売は前月比2.4%増加、前年同月比5.78%増加の28万7,361トン、今年の段ボール箱販売は、前年比2.0%~2.5%増加をブラジル段ボール協会(ABPO)では予想している。
盗聴スキャンダルから1カ月経過したにも関わらず、サンパウロ平均株価(Ibovespa)や為替が予想以下の変動率で推移していることをRabobankエコノミストのマウリシオ・オレング氏はポジティブにとらえている。
しかし政治スキャンダルが長期化すれば企業経営者並びに一般消費者の景況感の悪化や年金・恩給改革法案の国会通過に影響を及ぼすとマウリシオ・オレング氏は危惧している。
また5月の製造業やサービス業の購買担当者を対象にアンケート調査等を行い、新規受注・生産高・雇用などの指数に一定のウエイトを掛けて算出する5月の購買担当者指数(PMI)は、前月比3.8%増加、銀行業務集中サービス会社(Serasa)の小売販売指数は0.6%増加、ブラジル・クレジット保護サービス(SPC Brasil)への問合せ件数は0.6%増加、消費者指数は2.4%増加している。(2017年6月20日付けヴァロール紙)