テメル大統領がペトロブラス汚職捜査で勾留中の前下院議長エドゥアルド・クーニャ被告への黙秘に対する支払いを承認する様子を密かに録音したテープを大手食肉加工会社JBS社の幹部2人が最高裁判所に提出したとの「O Globo」紙の報道が発端となって、テメル大統領に対する弾劾寸前まで発展しており、年金・恩給改革法案の国会審議は、今年下半期まで先送りされると予想されている。
テメル政権では年金受給開始年齢を現行の60歳未満から男性65歳、女性62歳まで引き上げる以外にも、サラリーマンや公務員、農村部労働者等に分かれていた年金制度を統一して、受給開始年齢などの格差を最大限になくす年金改革を進めている。
しかしテメル大統領は、今年3月すでに年金改革の対象から除外している軍人等に加えて、地方公務員についても年金改革の除外を発表したため、連邦公務員や連邦警察、判事や検事等も年金改革対象外の要望が相次いでいる。
連邦会計検査院(TCU)の発表によると、年金改革対象外の軍人の年金受給開始年齢調査では、55%に相当する軍人は45歳~50歳で年金受給を開始しており、50歳~55歳は33%、45歳までの年金受給開始は7.0%、55歳~60歳は僅かに5.0%となっている。
国防省では、「軍人に対する年金受給資格の最低年齢適用は、軍人の高齢化に繋がり、国防の質低下につながるために非常に難しい」と説明、現在の軍人の平均年金受給年齢は52歳となっている。
一方社会保障院(INSS)に年金積立を行っているブラジル国民の34%が60歳~65歳で年金受給開始、27%は55歳~60歳、15%は65歳以上、14%は50歳~55歳、6%は45歳~50歳、4%は45歳までとなっている。
また連邦公務員の年金受給開始が最も多い年齢層は55歳~60歳の32%、次いで60歳~65歳が28%、50歳~55歳及び65歳以上はそれぞれ17%、45歳~50歳は5.0%、45歳までは1.0%となっている。
2016年の社会保障院(INSS)の一般国民向け年金・恩給による赤字は1,497億レアル、昨年の年間平均年金支給額は1万7,402レアル、前記同様に連邦公務員は430億8,000万レアル、10万1,790レアル、軍人は340億7,000万レアル、9万7,658レアルとなっている。(2017年6月6日付けエスタード紙)