テメル大統領が前下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告への黙秘に対する支払いを承認する様子を密かに録音したテープを大手食肉加工会社JBS社の幹部2人が最高裁判所に提出したとの「O Globo」紙の報道を受けて、政界は蜂の巣を突っついたような騒ぎに陥っている。
労働法改案の下院での承認、年金・恩給改革案など月内の下院議会承認に対する政治工作進展で国内外の投資家の信頼回復傾向で、サンパウロ平均株価の上昇やドル安の為替が続いていた。また予想されていた5月末の政策誘導金利引下げ予想から一転して、株価の下落やドル高の為替など今後の政治経済の混乱が予想されている。
このO Globo」紙の報道を受けて、昨日のニューヨーク証券取引所米国預託証券(ADR)のPetrobras ONの株価は110.8%下落、AmBev ON は10.11%、Itau Unibanco ON は7.42%、Gerdau ON は7.21%、Vale ONは7.14%、 Santander Brasil Unit は4.98%、Embraer ONは4.97%とそれぞれ下落している。
またシカゴIMM通貨先物でも昨日の午後10時30分の6月のレアル通貨先物取引では5.33%下落したが、テメル大統領の黙秘依頼テープ報道前の昨日のブラジルのレアル通貨の終値は1.23%減少のR$3.134に留まっていた。
昨日のニューヨーク証券取引所のブラジルの代表企業の米国預託証券(ADR)の一連の下落からサンパウロ証券取引所では株式市場や先物取引において価格が一定以上の変動を起こした場合に、強制的に取引を止めるサーキットブレーカー制度(Circuit Breaker)発動の可能性が予想されている。
最近のサンパウロ平均株価(Ibovespa)は、6万8、000ポイントに接近していたが、テメル政権の先行き不透明感上昇で6万ポイントを割る可能性があるとQuantitas ファンドのWagner Salaverry取締役は予想している。(2017年5月18日付けヴァロール紙)