今月22日、下院議会では1998年以来過去19年間議論されてきた労働者派遣法案(アウトソーシング)の職種制限規制の緩和法案を賛成231票、反対188票、棄権8票で可決、ミッシェル・テーメル大統領の裁可を持って承認される。
労働雇用省の労働データ(RAIS)によると、労働手帳に記載される正規労働者4700万人のうち25%に相当する1,300万人が派遣労働者として登録されているが、ミッシェル・テーメル大統領のサインで、労働者派遣法の修正案が承認されれば派遣労働者比率が大幅に上昇すると予想されている。
現在の派遣労働者の73%は3最低サラリー以下の月収、また75.9%は高卒以下の学歴であり、警備員や清掃婦などの単純労働しか認められていないが、労働者派遣法の修正案が承認されれば、民間企業の高度な職種やコア事業にも派遣社員を雇用することが可能となる。
サンパウロ州立大学社会学教授は、今後5か年~7か年の間に民間企業の派遣社員比率は75%に達する可能性を指摘、一方で正社員は25%まで減少する可能性があると指摘している。
労使間社会経済調査・統計所(Dieese)の調査では、派遣労働者は正社員よりも勤務時間が長い一方で相対的に給与は低く、同じ職種でも正社員よりも病気になる比率が高いと判明している。
中央統一労組(CUT)や労使間社会経済調査・統計所(Dieese)との共同調査では、2014年の化学業界の機械技能者の正社員の時給は17.28レアルであったが、同じ職種の派遣社員は10.18レアルと大きな開きがある。
また前記同様に従業員向け利益分配金(PLR)は1.8サラリープラスインフレ指数である全国消費者物価指数(INPC)調整、1,000レアル、残業代は110%増し、100%増し、保育園補助費はサラリーの50%、補助金なしとなっている。
労働者派遣法の修正案承認で、修正案を支持している企業経営者側にとって有利になる項目として、労働訴訟件数の減少並びに労働法の柔軟性拡大、人件費コスト減少、派遣社員並びに正社員とも統合労働法(CLT)による保護継続、労働者増加による連邦政府の歳入増加を挙げている。
一方労働者派遣法の修正案承認で、リスク拡大が見込まれるのは、労働条件の悪化並びに正社員を含めたサラリーの圧縮、サラリー交渉などを含めた労働組合の弱体化、有給休暇や13か月目サラリーのベネフィットを擁する雇用の減少、正規労働者を含む平均サラリーの圧縮による連邦政府の歳入減少などが挙げられている。(2017年3月24日付けヴァロール紙)