2003年のルーラ第一次政権で「ボルサ・ファミリア・プログラム(PBF)」を開始、PBF対象の低所得家庭を一人当たり世帯月収により、70レアル以下の極貧家庭と70~140レアルの貧困家庭の2つに分類、学童児の学校の出席日数や妊婦の予防接種義務などを条件に現金を給付した。
ルーラ政権の8年間で約3,000万人が貧困層から中間層へ社会移動、ルーラ政権を継承したジウマ政権も貧困削減のためにボルサ・ファミリア・プログラムを継続、テーメル政権は財政削減にも関わらず、支出カットしないでプログラム継続を余儀なくされている。
2年以上続くブラジル国内の経済停滞や失業率増加、特に人口の少ない各市町村では商業やサービス業以外の雇用が限られており、多くの市町村では、歳入減少に伴って公共サービスの削減や停止、また市役所職員への給与支払いが停滞している。
しかしボルサ・ファミリア・プログラムは、各市町村にとって歳入源としてインパクトは少ないにも関わらず、貧困層への補助金支給は、地方経済の停滞防止に役立っている。
ボルサ・ファミリア・プログラムによる1レアルの支給はGDPの1.78レアルの効果に匹敵、GDP伸び率を0.3%~0.5%引き上げる効果があるとFGV Socialエコノミストのマルセロ・ネリ取締役は説明している。
人口の少ない市町村は僅かな商業並びにサービス業で成り立っているために、ボルサ・ファミリア・プログラムによる補助金は、経済リセッションの深化を防ぐ効果があるとセアラー連邦大学貧困研究所のジョアン・マリオ・フランサ コーディネーターは説明している。
経済リセッションによる連邦政府の歳入減少は、市町村向け交付金分配ファンド(FPM)のカットを余儀なくされており、FPMファンドのボルサ・ファミリア・プログラムへの支出比率は2014年をピークに減少している。
2008年のFPMファンドのボルサ・ファミリア・プログラムへの支出比率は25.6%であったが、2012年には37.1%と10%以上増加、2013年は42.3%、ピークの2014年は42.4%に達してから2015年には40.4%、昨年は40.2%まで減少している。
2008年の連邦政府による市町村向け交付金分配ファンド(FPM)への支給総額は423億レアル、そのうちボルサ・ファミリア・プログラムへの支給総額は108億1,000万レアル、前記同様に2011年は531億レアル、172億8,000万レアル、2016年は648億レアル、260億レアルとなっている。
昨年のボルサ・ファミリア・プログラムによる補助金総額が市町村向け交付金分配ファンド(FPM)による支給総額が上回ったのは、ブラジル全土5,570都市のうち187都市となっている。
ボルサ・ファミリア・プログラムによる補助金支給がFPMを上回った187都市のうち49都市はセアラー州、パラー州は38都市、アマゾナス州は19都市、バイア州並びにピアウイ州は12都市、ペルナンブーコ州は11都市、ローライマ州は10都市と北東部地域並びに北部地域に集中している。(2017年2月5日付けエスタード紙)