経済リセッションの影響による国内消費減少並びにドル高の為替に伴って、輸入の減少幅が輸出の減少幅を大幅に上回って貿易収支が大幅に改善、また国内外の旅行収支の改善で、2016年のブラジルの経常収支は僅かに235億1,000万ドルの赤字に留まった。
昨年の経常収支赤字は、2015年の経常収支赤字589億ドルの半分以下まで減少、また2007年に記録した4億800万ドルの黒字計上以降では赤字が続いていたが、2014年の経常収支赤字1,042億ドルの1/4以下まで減少している。
昨年の経常収支赤字が235億1,000万ドルに留まった要因として、国内消費減少に伴う輸入総額の減少、ドル高の為替による輸出量増加による貿易収支黒字450億4,000万ドルを記録、2015年の176億7,000万ドルの黒字から大幅に改善している。
経済リセッションによる輸入総額の減少並びに外資系企業による本国への利益・配当金送金の減少、公共投資向け支出削減などが経常収支赤字減少に繋がっているとマイナス面をFator銀行チーフエコノミストのジョゼ・フランシスコ・ゴンサルヴェス氏は指摘している。
ブラジルの国内経済リセッション継続にも関わらず、昨年の海外投資家による対内直接投資は、経常収支赤字の3倍に相当する789億3,000万ドルが流入して経常収支赤字をカバーしている。
昨年12月の経常収支赤字は58億8,000万ドルを記録した一方で、対内直接投資総額は154億1,000万ドルを記録、中銀では今年の経常収支赤字を280億ドル、対内直接投資総額は750億ドルとそれぞれ予想している。
昨年の経常収支のサービス収支部門の国内外旅行収支は、ドル高の為替並びにブラジル経済停滞による影響で84億7,300万ドルの赤字計上に留まり、2015年の115億1,000万ドルの赤字、2014年の187億2,000万ドルの赤字を大幅に下回っている。
昨年末のレアル通貨に対するドルの為替は前年比16.5%減少のR$3.25までドル安の為替を記録したものの、2014年末の為替R$2.68と比較して大幅なドル高の為替に留まっていた。
昨年12月の為替はR$3.25前後でブラジル人による海外旅行支出は9億4,100万ドルの赤字であったが、為替がR$3.90であった1年前の2015年12月の海外旅行支出は6億5,300万ドルであった。
リーマンブラザーズ証券会社破産をきっかけとした世界金融危機が発生した2008年の経常収支は、前年の黒字から一転して306億ドルの赤字を計上、翌年の2009年は263億ドルに減少、2010年~2013年の4年間は、750億ドル前後の赤字で推移していた。(2017年1月25日付けエスタード紙)