国際会計事務所大手KPMG社の発表によると、2016年のブラジル国内の企業買収・合併(M&A)案件は、2年以上継続する経済リセッション並びにラヴァ・ジャット作戦汚職問題拡大による影響で、前年比4.3%減少に相当する740件に留まって2001年以降では最低となっている。
昨年の大型M&A案件としては、負債軽減のためのペトロブラス石油公社による自社資産の放出、鉱業関連の世界トップ企業ヴァーレ社やアングロ・アメリカン社のポートフォーリオ事業売却、電力関連事業が上位を占めたとKPMG社は説明している。
2017年のブラジル国内M&A案件で最も注目されているのは、ペトロブラスのBR Distribuidora社並びにラヴァ・ジャット作戦汚職問題関連のインフラ関連物件の放出で、海外投資家が注目している。
昨年の大型M&A案件トップは、ペトロブラス石油公社傘下の天然ガスパイプライン事業(NTS)の株式90%をカナダ資本ブルックフィールド社が率いる投資家連合に対して、52億ドル相当で売却することで合意していた。
ブルックフィールド社の投資家連合の構成は、ブルックフィールド社を筆頭にブリティッシュコロンビア州の年金基金、中国の政府系投資ファンドの中国投資有限責任公司(CIC)、シンガポール政府投資公社(GIC)などで構成されていた。
NTSの買収案件に続いてサンパウロ商品先物・証券取引所(BM&F Bovespa)並びに証券の金融決済監視センター(CETIP)との合併は32億5,000万ドルで成立していた。
3位にはペトロブラスによるサントス海盆に位置するカルカラ鉱区と呼ばれるBM-S-8鉱区権益をノルウエー資本Staroil社に25億ドルで売却、鉄鉱石輸出で世界最大手のヴァーレ社は、鉄鉱石などのコア事業に資本を集中させるためポートフォーリオの肥料部門を25億ドルで米国肥料最大手モザイク社に譲渡、また中国資本State Grid社は、ゼネコン大手カマルゴ・コレア社が擁していたCPFL Energia社を18億ドルで買収していた。
昨年のM&A案件トップ10のうちペトロブラス関連では、天然ガスパイプライン事業(NTS)並びにBM-S-8鉱区権益のノルウエー資本Staroil社への売却、ペトロブラスアルゼンチーナ社のPampa Energia社への譲渡で、総額86億ドルでの売却が成立していた。
昨年の電力関連M&A案件として、中国資本State Grid社によるゼネコン大手カマルゴ・コレア社が擁していたCPFL Energia社買収、中国三峡集団公司(CTG)による1999年にブラジルの電力エネルギー部門に進出した米国資本Duke Energyのブラジル国内資産の買収が挙げられる。
今年のブラジル国内の主要M&A案件として、小売りチェーン網、IT関連、過去数年にわたって継続している教育や医療・保健分野の業界編成に伴う買収が注目されている。
また連邦警察によるラヴァ・ジャット作戦で最大級の汚職疑惑のゼネコン大手ノルベルト・オデブレヒト社初めオデブレヒトグループが連邦検察庁と進めている大型の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で77人のエグゼクティブが合意したために、売却可能なインフラ関連物件が明らかになるために注目されている。(2017年1月18日付けヴァロール紙)