昨日、今後20年間の無秩序な政府歳出増加に歯止めをかけるため歳出がインフレ以上に肥大化するのを阻止する憲法修正案(PEC)の2回目の上院での投票は賛成53票、反対16票で可決されたものの、第1回投票の賛成61票、反対14票を下回った。
ミッシェル・テメル大統領(民主運動党・PMDB)の年金改革と並んで最優先事項だった同案は、上議81人の3分の2に相当する49票以上の賛成票が必要であったにも関わらず、辛うじて4票上回って可決された。
2年以上も継続する経済リセッションに沈んでいる国内景気回復を優先事項として取り組んでいるエンリケ・メイレレス財相は、12日に国内主要銀行に対して法人並びに一般消費者に対する金利引下げを要請していたが、歳出上限に対する憲法改正案(PEC)可決は歴史的な出来事であるとコメントしている。
歳出上限法では、2017年から20年間にわたって各省庁予算を前年6月時点で直前12カ月間の広範囲消費者物価指数(IPCA)のインフレ率以下に抑え込まなければならない。
しかし教育と医療部門は同じ仕組みが他の省庁より1年遅い2018年から適用される一方で、例外として2017年の歳入の18%は教育部門、医療部門は15%があてがわれる。
1991年の連邦政府の公共支出はGDP比10.8%であったにも関わらず、2015年には19.5%まで急上昇、今年の公共支出に歯止めがかかっていないために、連邦政府の公共支出はGDP比20%に達すると予想されている。
しかし今回の上院での歳出上限に対する憲法改正案(PEC)可決で、2017年の公共支出はGDP比19.5%に減少すると予想、2018年は18.8%、2019年は18.3%が予想されているが、憲法改正案(PEC)が可決されていなければ2019年の公共支出はGDP比21.9%に達すると予想されている。
2018年以降の年間平均GDP伸び率を2.7%と仮定、10年間にわたって憲法改正案(PEC)が実施されると2026年の公共支出は、GDP比15.9%と2002年の水準まで低下するとテンデンシア社では予想している。
今年の財政プライマリー収支赤字は1,705億レアル、2017年の財政プライマリー収支赤字は1,390億レアルがそれぞれ予想、しかし連邦政府は憲法改正案(PEC)が可決されていなければ2017年の公的債務残高はGDP比77.3%、2019年にはGDP比90.5%に達して、ギリシャ並びにスペインポルトガルの水準まで達すると予想されている。
しかし今回の歳出上限に対する憲法改正案(PEC)可決で、2017年の公的債務残高はGDP比76.6%、2018年は78.1%、2019年は78.7%に留まると予想されている。
今回の歳出上限に対する憲法改正案(PEC)は可決されたにも関わらず、連邦警察によるラヴァ・ジャット作戦でオデブレヒトグループが連邦検察庁と進めている大型の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)では、77人のエグゼクティブが合意したために、今後は多くの与野党議員の不正発覚が予想されている。
特に連立与党を構成するPMDB(ブラジル民主運動党 )やPSDB(ブラジル社会民主党 )の大物政治家の不正が摘発されれば、歳出上限に対する憲法改正案(PEC)以上に必要不可欠な年金・恩給改革の進展に大きな障害が発生する。(2016年12月14日付けエスタード紙)