最近のドル為替に対するレアル高並びに僅かながら経済リセッションからの乖離傾向などの要因で、中銀の今年の最終経常収支予想は、6月の前回予想の150億ドルの赤字から8月には180億ドルに下方修正している。
今年の経常収支赤字は、昨年の経常収支赤字GDP比3.3%からGDP比1.0%まで縮小、2007年のGDP比0.003%の黒字以降では赤字幅が最も減少したと中銀のツーリオ・マシエル経済班主任は予想している。
また中銀では最近のレアル高の為替の影響で輸入増加が予想されているために、今年の貿易収支黒字は、6月の前回予想の500億ドルから490億ドルに下方修正している。
中銀では今年の輸入総額を前回予想の1,400億ドルから1,410億ドルに下方修正した一方で、輸出総額は1,900億ドルに据置いているために、貿易収支黒字10億ドル減少に修正している。
8月のブラジル人の海外旅行による支出は、レアル高の為替傾向で12億9,200万ドルと前年同期の12億6,300万ドルを上回り、2015年1月以降で初めて旅行収支が赤字に転落、9月も22日までのブラジル人の海外旅行による支出は、前年同期比8.1%増加している。
最近のレアル高の為替傾向が後押しして、ブラジル人の海外旅行による支出はさらに増加すると予想されており、今年の旅行収支は前回予想の60億ドルの赤字から最終的には75億ドルの赤字を計上すると予想されている。
今年の外国投資家による国債をはじめとした確定金利付き投資の引揚げ金額は180億ドルに達して、1995年以降では最大の流出残高に達すると予想されている。
今年8月までの国債をはじめとした確定金利付き投資は、政策誘導金利(Selic)が14.25%と世界トップの高金利にも関わらず、継続する経済リセッション並びにブラジル国債の格下げ、ラヴァ・ジャット関連汚職問題、ジウマ大統領罷免問題など政治経済混乱が要因となって、前年同期の163億ドルから155億5,100万ドルに減少している。
また8月の国債をはじめとした確定金利付き投資流出額は38億3,400万ドル、9月も22日までの投資流出額も28億6,500万ドルに達しているが、2014年の投資残高は430億ドル、昨年は163億ドルとそれぞれ黒字を計上していた。
また今年8月までの海外投資家による今年のサンパウロ証券取引所(Bovespa)への株式投資残高は50億8,900万ドルを記録、今年の株式投資残高は6月の前回予想の40億ドルから90億ドルに上方修正されている。
今年の海外投資家による製造業部門向け対内直接投資は、GDP比3.9%に相当する700億ドルと経常収支赤字180億ドルを大幅に上回ると予想、しかし昨年の対内直接投資GDP比4.24%に相当する750億ドルを下回ると予想されている。
8月の製造業部門向け対内直接投資は72億800万ドルの黒字を計上、経常収支は5億7,900万ドルの赤字を計上、また過去12カ月間の製造業部門向け対内直接投資はGDP比4.17%相当の740億ドル、経常収支はGDP比1.46%に相当する258億ドルの赤字を計上している。(2016年9月27日付けヴァロール紙)