今年の社会保障院(INSS)の赤字残高は1,470億レアル、2017年の赤字残高は1,830億レアルに達すると予想され、今年の支出総額は5,040億レアル、2017年の支出総額は5,610億レアルと予想されている。
社会保障院では早急な年金・恩給改革の着手に迫られているにも関わらず、ミッシェル・テーメル暫定政権のエリゼウ・パジーリャ官房長官は、大きな混乱を避けるため初めに労災保険及び障害年金受給者対象の再審査を実施して、71億レアルに相当する支出削減を予定している。
労災保険受給者総数は84万人で月間支出は10億レアルに達しており、また障害年金受給者総数は300万人で月間支出は36億レアルに達しているにも関わらず、社会保障院の検査官不足で再審査が等閑にされている。
また1人当たりの世帯月収が最低賃金の4分の1未満で、勤労不可能な高齢者および障害者に対して最低賃金額を支給する継続扶助(Benefício de Prestação Continuada – BPC)対象者420万人が受給、2015年のBPC扶助による支出総額は、396億レアルに達しているために早急な見直しが行われる予定となっている。
ジウマ・ロウセフ政権で唯一、年金制度で変更になったのは公務員社会保障制度(RPPS)の連邦公務員向け年金ファンド(Funpresp)の設立であり、地方政府(州・市)でも、新たに採用した公務員に対する年金制度の管理をしなければならない。
労災保険受給者に対する見直しで社会保障院の支出削減は39億5,500万レアルに達する可能性があり、また障害年金受給者に対する見直しで社会保障院の支出削減は23億4,000万レアルに達すると予想されている。
労災保険受給者に対する再審査の実施で30%以上の経費削減が予想されている一方で、障害年金受給者に対する再審査の実施では僅か5.0%前後の経費削減予想、BPC扶助に対する再審査の実施では、8億レアルの経費削減につながると予想されている。
労災保険受給者に対する審査は検査員不足で等閑にされているが、連邦政府は受給期間を120日に限定する可能性があり、また再審査期間はそれぞれ2年おきに実施される可能性がある。
労災保険及び障害年金受給者対象の再審査実施のためには検査員の大幅な増員が必要であるが、社会保障院では時間外審査に対して、検査員の時間外手当として1人当たりの審査に対して60レアルを支給する。(2016年7月8日付けエスタード紙)