ミッシェル・テーメル暫定政権は、すでに痛みの伴う年金改革の骨格となる草案を作成、来週から連邦政府のエリゼウ・パジーリャ官房長官主導の年金改革委員会メンバーとブラジルの労働組合代表メンバーが協議を予定、7月中の国会への年金改革法案提出に向けてコンセンサスを模索、また労働法改革についても協議を予定している。
ブラジルの年金改革の主要5項目として、最低年金受給年齢の引上げ並びに男女同一の年金規定、民間企業との格差が大きい公務員の年金改革、恩給受給額や資格の見直し、農産物輸出企業向け納付金の見直しとなっている。
国内販売メーカーは社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率免税に対応する売上の2.6%納税が課せられており、また農産物輸出企業に対しても納付金を課さなければならないとエリゼウ・パジーリャ官房長官は強調している。
また年金改革の一環として恩給受給額や受給資格の見直しが昨年から議論されてきたが、公務員の未亡人や遺族に対する恩給受給資格の早急な見直しも社会保障院(INSS)の赤字減少には欠かせない要因となっている。
ブラジルの平均年金受給開始年齢は未だに60歳を下回っているにも関わらず、年金受給資格を男女とも段階的に65歳に引き上げなければ社会保障院(INSS)の赤字は天文学的な数字に達して、連邦政府の財政破産につながりかねない。
85/95法と呼ばれて、女性は年金入りの最低年齢が55歳でINSS積立期間が30年間、男性は年金入りの最低年齢が60歳でINSS積立期間が35年間で満額の年金支給改革案はすでに国会で承認されており、85/95法による年金受給が開始されだした。
また現在の年金最低支給額は最低サラリーとなっているにも関わらず、1993年に制定された高齢者並びに低所得者層を対象とした社会扶助基本法(LOAS:Lei Orgânica da Assistência Social)によるベネフィット支給額は、最低サラリーに準じない額に変更されているために、年金改革でも調整が必要となる。
2014年の社会保障院(INSS)の赤字は566億9,800万レアル、昨年は858億1,800万レアル、今年は1,336億レアル、2017年は1,676億2,900万レアルが予想されており、ギリシアやポルトガル、スペインで実施された年金改革並みの痛みを伴う早急な改革が避けられない。(2016年6月23日付けエスタード紙)