社会保障院(INSS)から最低サラリー以上の年金・恩給を受ける受給者は約1,000万人に過ぎないが、年金・恩給受給者の2016年の調整率は、2015年のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)10.67%を上回るため更にINSSの赤字拡大につながる。
2,200万人以上が対象となる最低サラリーの年金・恩給受給者の2016年の調整率は、11.68%とインフレ指数以上の調整率でINSSの196億レアルの赤字拡大につながる。
また最低サラリー以上の約1,000万人対象の年金・恩給受給者の調整率は、大半の労働組合の賃上げ交渉のベースとなるインフレ指数の全国消費者物価指数(INPC)の11.28%、INSSの215億レアルの赤字拡大につながる。
最低サラリーまでの年金・恩給受給者の調整率の計算方法は、過去2年間のGDP伸び率と前年のインフレ指数である全国消費者物価指数(INPC)をもとに計算される。
しかし最低サラリー以上の年金・恩給受給者向け調整率が低いために、最低サラリー年金・恩給受給者とそれ以上の受給者との格差が縮小してきており、最低サラリー以上の年金・恩給受給者の不満が鬱積してきている。
1997年に10最低サラリーで年金生活を開始した年金受給者を例にとると、最低サラリー以上の年金受給者の調整率が最低サラリー受給者の調整率を毎年下回るために、昨年の年金受給額は3最低サラリーまで減少している。
最低サラリーの年金受給者とそれ以上の年金受給者との格差縮小は、第2次ルーラ政権時の2010年1月から最低サラリーをインフレ以上の調整率に引き上げたことが主因となっている。
2016年の年金・恩給受給者向け支出総額は月間357億レアル、2016年の年金・恩給受給者向け支出による赤字は826億レアルが予想されており、連邦政府では社会保障院(INSS)の年金・恩給支払いが毎年増加の一途をたどって赤字が雪だるま式に膨らんできているにも関わらず、与野党間の政治駆け引きで年金改革に着手できなかった。
しかし連邦政府は赤字解消のために85/95法と呼ばれ女性は年金入りの最低年齢が55歳でINSS積立期間が30年間、男性は年金入りの最低年齢が60歳でINSS積立期間が35年間で満額の年金支給の改革案が国会を通過している。
また年金受給開始の最低年齢の引き上げ、恩給受給条件の厳格化、公務員の年金改革などで早急に社会保障院の破綻を回避しなければならない。(2016年1月12日付けエスタード紙)