ブラジル地理統計院(IBGE)の鉱工業生産調査によると、2015年11月初めに大手資源開発会社ヴァーレ社とBHPビリトン社の合弁会社サマルコ社の鉱山廃水用ダムの決壊事故並びにペトロブラス石油公社のストライキの影響を受けて、11月の鉱工業生産は前月比マイナス2.4%と2008年以降では最大の落ち込みを記録している。
11月5日にブラジル南東部に位置するミナス・ジェライス州のサマルコ社の鉱山廃水用ダムの決壊事故は過去最悪規模の人身事故となり、有毒物質を含んだ濁流によるリオ・ドーセ川流域一帯の環境破壊、漁業および農業への壊滅的被害が発生、今現在まで年間3,050万トンを生産していた鉄鉱石のペレット生産中止を余儀なくされており、また操業再開の目途が立っていない。
また昨年11月のペトロブラス石油公社のストライキは20日以上に及んでいる影響で、1日当たりの石油生産は35万5,000バレルの減産を余儀なくされ、昨年11月のサマルコ社並びにペトロブラスの減産による影響は鉱業セクターの生産減少10.9%に結び付いている。
また2015年1月~11月の鉱工業部門26セクターの生産調査で、唯一鉱業セクターの生産は前年同期比4.7%増加しているにも関わらず、今後もサマルコ社のペレット生産中止が予想されてマイナスに転じる可能性がある。
ブラジルの国内経済リセッションの継続、失業率の増加、一般家庭の負債増加、実質収入の減少、クレジット向け金利上昇、企業経営者の景況感悪化による機械・装置向け投資先送りなどの要因で、昨年11月の資本財セクターの生産は前月比マイナス1.6%、前年同月比マイナス31.2%、昨年11月間の累計はマイナス25.1%、昨年11月の過去12か月間の累計はマイナス24.1%とそれぞれ大幅に落ち込んでいる。
前期同様に中間財セクターはマイナス3.8%、マイナス10.8%、マイナス4.9%、マイナス4.6%と資本財セクター同様にすべてマイナスを記録している。
また前期同様に資本財セクターのうち耐久消費財セクターはマイナス3.2%、マイナス29.1%、マイナス18.3%、マイナス17.6%、非耐久消費財セクターは0.4%増加、マイナス4.8%、マイナス6.9%、マイナス6.4%となっている。
GO Associados社エコノミストのファビオ・シルヴェイラ氏は、2015年の鉱工業生産はマイナス8.5%~マイナス9.0%を予想、またParallaxis Consultoria社チーフエコノミストのラファエル・レオン氏は、2016年の鉱工業生産はドル高の為替並びに下半期からの輸入製品の減少でマイナス5.0%に留まると予想している。(2016年1月8日付けエスタード紙)