失業率並びにインフレ指数が二桁台に届くまで経済リセッションに陥っている第3四半期のGDP伸び率は、前四半期比マイナス1.7%と大幅に下落して1980年~1990年代の大不況時代を彷彿させる状況に陥っている。
ブラジル地理統計院(IGBE)の発表によると、第3四半期のGDP伸び率が前四半期比マイナス1.7%を記録した要因として、住宅投資並びに設備投資、公共投資などの国内総固定資本形成(FBCF)が前年同期比マイナス15.0%、一般消費者の景況感の悪化、収拾がつかない国会運営や政治危機、ゼネコン向けクレジット減少、雇用状況の悪化、高止まりするインフレなどが挙げている。
またジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)の景気サイクル指標委員会(Codace)の調査によると、第3四半期のGDP伸び率が前四半期比マイナスで6四半期連続のマイナスは、1998年~1999年の経済リセッションを上回る最悪の経済状態に落ち込んでいると指摘している。
GDP伸び率に関する統計を取り始める以前の1990年代初めに、GDP伸び率が11四半期連続でマイナスを記録した要因として、景況感悪化による景気回復の見通し不透明感が牽引していたと景気サイクル指標委員会(Codace)は推測している。
第3四半期の農畜産セクターのGDP伸び率は前四半期比マイナス2.4%、前年同四半期比マイナス2.0%、前記同様に鉱工業セクターはマイナス1.3%、マイナス6.7%、サービスセクターはマイナス1.0%、マイナス2.9%となっている。
また第3四半期の一般消費者の需要は前四半期比マイナス1.5%、前年同四半期比マイナス4.5%、前記同様に公共投資は0.3%増加、マイナス0.4%、国内総固定資本形成(FBCF)はマイナス4.0%、マイナス15.0%、輸出はマイナス1.8%、1.1%増加、輸入はマイナス6.9%、マイナス20.0%となっている。
3月のブラジル地理統計院(IGBE)調査の今年のGDP伸び率予想はマイナス1.0%であったが、今ではマイナス3.7%と大幅な下方修正を余儀なくされており、2016年のGDP伸び率はマイナス2.9%、GDP伸び率がプラスに転じるのは2017年になると予想している。
ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題発覚による政治危機終止の見通しが全く不透明で、ペトロブラスや大手ゼネコン企業の活動停止、インフラ抑制のための金利上昇、国際コモディティ価格下落による輸出への影響、緊縮財政による公共投資への影響、電力エネルギーやガソリン価格の値上げなどで底の見えない経済リセッションに陥っているとリオ連邦大学のジョゼ・ルイス・オレイロ教授は指摘している。
9月に米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引下げた影響で、ブラジル企業にとってクレジット部門縮小並びに金利上昇で資金調達がさらに困難になっており、来年には更なる格下げの可能性をAustin Rating社チーフエコノミストのアレックス・アゴスティーニ氏は指摘している。
Austin Rating社の41か国のGDP伸び率調査によると、ブラジルの第3四半期のGDP伸び率は前年同四半期比マイナス4.5%でウクライナのマイナス7.0%に次ぐワースト記録となっている。
第3四半期のGDP伸び率トップはインドの7.4%、次いで中国6.9%、フィリピン6.0%、インドネシア並びにマレーシアがそれぞれ4.7%でトップ5を形成、ワースト5はウクライナ、ブラジルに次いでロシアはマイナス4.1%、ヴェネズエラはマイナス2.3%、ギリシャはマイナス0.9%となっている。(2015年12月2日付けエスタード紙)