経済リセッションによる景気低迷や延滞率の増加に伴うクレジット部門の縮小、ラヴァ・ジャット作戦での汚職問題などで大手ゼネコン企業幹部の逮捕や国庫庁への賠償金や罰金支払いなどの影響を受けて、ブラジルの大手企業は資金調達に四苦八苦している。
大手企業は運転資金や投資金調達のために収益率の高い事業の継続とポートフォーリオの見直しで、コア事業以外の収益率の低い自社資産売却を余儀なくされている。
投資銀行の試算によると、ブラジル大手企業による自社資産売却総額はイタウー銀行の時価総額に相当する1,500億レアルに達すると予想、またAmbev社の時価総額の50%に相当する資産売却になると予想している。
ペトロブラス石油公社は、2016年末までに自己資産売却で151億ドルの資本調達を計画、本来のコア事業である石油・天然ガス開発に投資を集中させるために、海外資産を中心にコア事業以外の資産を積極的に売却すると発表している。
石油の国際コモディティ価格の低迷並びに上昇を続けるドル高の為替、ラヴァ・ジャット作戦による汚職問題発覚によるペトロブラス石油公社の株価低迷、ブラジル経済のリセッションによる石油需要低迷などの要因で、70億レアルの資金調達を見込んでいる石油配給会社BR Distribuidoraの新規株式上場(IPO)は世界的な株価低迷で先送りされている。
連邦政府による2012年の電力コンセッションの再契約並びに電力料金の値下げで大きな影響を受けていたブラジル中央電力 (Eletrobras)は、年内にミナス・ジェライス州電力公社(Cemig)の放出を余儀なくされている。
今年9月に格付け会社Fitch Ratings社は、ナショナル製鉄所(CSN)の格付けを“BB”から “B+”に格下げしたが、鉄鉱石価格が更に下落すればもう一段の格下げにつながり、また電力エネルギー並びにコンテナ用港湾ターミナルの売却も余儀なくされる可能性がある。
衣料ショッピングデパートのC&A Modas社は、売り上げが芳しくないショッピングセンターの2店舗を閉鎖、また Via Varejo社並びに Magazine Luiza社、Lojas Marisa社なども収益性の低い店舗閉鎖を検討している。
2014年11月の第7次ラヴァ・ジャット作戦で汚職を摘発されたガルヴォン・エンジェニャリア社並びにOAS社はすでに会社更生法の申請しており、OAS社は建設部門に事業を集中するためにインフラ整備部門や環境整備部門、スタジアム部門の資産売却を進めている。
Schahinグループは会社更生法を申請してエンジニアリング部門並びに建設部門の資産売却で石油・天然ガス部門のコア事業に資本を集中するにも関わらず、ドリルシップ並びにFPSO(Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)3隻の売却発表を余儀なくされている。
ガルヴォン・エンジェニャリア社は所有するGalpar社の株式の売却、また水力発電所並びに風力発電所の資産売却を発表、第7次ラヴァ・ジャット作戦で汚職を摘発されたオデブレヒト社は、資金調達のために再生可能エネルギー分野の自社資産売却を余儀なくされている。(2015年10月15日付けエスタード紙)