米国格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、ブラジルの長期外貨建てソブリン格付けを「BBBマイナス」から1段階下の「BBプラス」のジャンク級に引き下げた5日後の昨日、連邦政府は2016年の予算として公務員サラリー調整の先送りなどを含む260億レアルの支出カットを発表した。
先月末にネルソン・バルボーザ企画予算相が提出した2016年度連邦予算案では歳入減の影響で、財政プライマリー収支は国内総生産(GDP)の0.5%にあたる305億レアルの赤字を発表した影響も含めてソブリン格付けは下げられたが、連邦政府は新たに2016年の財政プライマリー収支黒字 GDP比0.7%に相当する438億3,400万レアルを達成するために、更なる支出カット並びに増税を余儀なくされている。
連邦政府が発表した260億レアルの支出カットの内訳は、公務員サラリー調整の先送りで70億レアル、立法・行政・司法関係の公務員採用の中止による15億レアル、永続手当削減による12億レアル、アウトソーシング経費や交通費、住居費補助、管理職手当などの削減で20億レアル、低所得者層対象の大衆住宅建設プログラム“私の家、私の暮らし”(MCMV)向け支出削減による48億レアル、MCMVを含まない経済成長加速プログラム(PAC)関連支出削減による38億レアル、農業政策補助金の見直しによる11億レアルとなっている。
連邦政府による増税などによる456億レアルの増収予定の内訳として、2016年の輸出業者に対する0.1%の特別払戻税(Reintegra)、2017年は1.0%、2018年は2.0%、2019年は3.0%で20億レアルの増収につながる。
また2016年の化学関連企業に対するPIS/COFINS(社会統合基金/社会保険融資納付金)の50%カットによる8億レアル、長期金利(TJLP)関連の自己資本金利(JCP)が15%から18%引き上げで11億レアル、システムSに関する法人所得税率の変更で20億レアルの増税につながる。
システムS 並びに零細企業支援サービス機関(Sebrae)から企業側の社会保障院(INSS)への従業員給与額20.0%の納付率免税に対応する売上の数%課税を差し引いた60億レアルの増税も含まれる。
2007年に廃止された通称銀行小切手税と呼ばれていた0.2%の金融取引暫定納付金(CPMF)の4年間の期限限定の徴収再開で320億レアルの歳入増加となるが、社会保障院(INSS)の支出補填に充てられ、またキャピタルゲインに関する個人所得税の増税で18億レアルが見込まれている。
ジウマ大統領は2016年度の財政プライマリー収支の黒字目標のための公共支出の大幅カットや一連の増税政策の発表前に、エドアルド・クーニャ(Eduardo Cunha)下院議長並びにレナン・カリェイロス(Renan Calheiros)上院議長、ミシェル・テメル(Michel Temer)副大統領に発表内容を知らせたが、国会通過は非常に難しいと予想されている。(2015年9月15日付けエスタード紙)