ブラジルの2015年末の公的債務残高は3,680億ドルに達して2007年以降で初めて今年末予想の外貨準備高3,670億ドルを上回るとクレディ・スイス銀行のレポートでは報告されている。
2002年の連邦政府による対外債務残高は1,100億ドル、民間企業による対外債務残高は1,000億ドルと均衡していた一方で、今年は連邦政府による対外債務残高は950億ドル、民間企業による対外債務残高は2,730億ドルになると予想されている。
民間企業による対外債務残高が上昇の一途をたどっている要因として、ブラジルのマクロ経済が好調に推移して対外的な信用が増加したことが海外での資金調達を容易にしていた。
エンリケ・カルドーゾ政権並びにルーラ政権時のブラジルのマクロ経済は変動為替相場制の採用並びにインフレ抑制政策の導入、財政プライマリー収支黒字の達成などの要因で対外的な信用増加で海外金融機関での資金調達が容易となっていた。
ブラジル国内の銀行金利は非常に高い一方で、海外金融機関による資金調達コストは金利が低いためにコスト削減に結び付き、また長期クレジットは国内金融機関では困難となっていることが民間企業による対外債務残高増加に結び付いている。
連邦政府による対外債務残高が安定的に推移している要因として、インフラ投資部門向け資金調達は、世界銀行や米州開発銀行からのクレジットだけにとどまっているためと予想されている。
クレディ・スイス銀行では2016年のブラジルの外貨準備高は3,720億ドル、ブラジルの対外債務残高は3,930億ドル、そのうち民間企業による対外債務残高は2,930億ドル、連邦政府による対外債務残高は1,000億ドルをそれぞれ予想している。