ブラジル政府は10日、メルコスルと欧州連合(EU)による自由貿易圏の立ち上げに向けた交渉を加速させるとする積極的な外交姿勢を明らかにした。
アルゼンチン政府の抵抗を無視する形でジウマ・ロウセフ大統領は、ブリュッセルで双方の対話のチャネルを拡大するとともに、欧州各国の元首に対して、協定締結の叩き台となる提案と基礎的条件を交換する日取りを、可能な限り迅速に取り決めるよう求めた。この日取りについてブラジル側は7月18日を希望しているが、欧州ではバカンスシーズンに当たるため、協議は9月まで持ち越される模様だ。
今回の外交姿勢は、11日に終了するラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)とEUの首脳会談の合間を縫って、10日にジウマ大統領が表明した。EU本部で行われた10日午後の各国首脳の演説の中で、ジウマ大統領は、対話のペースを加速させるよう希望すると発言するとともに、協議の重要性を強調した。
大統領は、「メルコスルは今、欧州連合との交渉を進め、関係をより強固なものにしたいと望んでいます。それは、メルコスル、そしてブラジルの対外活動計画における最優先課題です」と発言。さらに、「2015年に包括的かつ対等な合意をまとめることができるように、市場へのアクセスに関して双方から提案を交換できるよう、我が方は年内に最初の一歩を踏み出す準備が整っております」と付け加えた。
ジウマ大統領はさらに、両経済圏の貿易関係が2000年から2014年にかけて、900億ドルから2,670億ドルへと急速に拡大していることにも言及した。またブラジルの閣僚も、両経済ブロックが自由貿易協定を締結した場合にブラジルの輸出が20%拡大する可能性があるとする、ゼツリオ・バルガス財団(FGV)が実施した調査結果を提示した。10日夜に短時間ながら記者会見に応じたジウマ大統領は、「メルコスル側は提案書を手渡す用意が整っている」ことを改めて確認した。「我々は今、EUがこちらに対して提案を提示する条件が整ったと伝えてくるのを待ち受けている段階だ」と強調してEU側の代表に交渉推進役のバトンを渡した。またこの記者会見でジウマ大統領は、「具体的に日程を取り決めることを我々は希望している」ことも明らかにした。
さらに11日には、ジウマ大統領は、加盟28か国を代表するEUのドナルド・トゥスク大統領との首脳会議を予定しており、この問題について意見を交換する。またドイツのアンゲラ・メルケル首相との首脳会談も予定しており、同様にこの問題について意見を交換する意向だ。
対照的な反応
ブラジル政府の力強い姿勢は活気がみなぎっており、EUとメルコスルによる自由貿易協定の実現を信用していないEU側の交渉担当者と財界関係者の態度とは対照的なものとなった。
ブリュッセル側は、両経済ブロックが自由貿易協定を締結するのではなく、ヨーロッパとブラジルによる貿易関係を拡大する必要があるのだと強調する。9日には、EU貿易委員会ラテンアメリカ部会のマティアス・ヨルゲンセン部長も同様に、交渉が遅々として進んでいないことに遺憾の意を示した。ただしヨルゲンセン氏は、「我々は、ブラジル側に、極めて恣意的な政治的意図があると受け止めている。この点については、疑問の余地がない」と言う。そして、「あなた方の中でも一部の方が気づいておられるように、この交渉は、もう16年も前から進捗していないのだ」と付け加えた。(2015年6月11日付けエスタード紙)