ひっそりとであるが、ブラジルで5月25日の工業の日が祝われた。この経済活動の成果を祝う以上に、より良い方向に進むために業界が果たすべき役割について、今一度熟慮することが有益だとボトランチンは確信している。
アナリストは、脱工業化という概念を使って過去数十年の状況を説明してきた。その他の専門家は、「事実(と数字)に異論を挟む余地がない」として、この用語をためらうことなく使用している。実際のところ数字は、経済における産業の重要性が増していることを示している。例えば2013年にはGDPに対して13.3%の比重を持ち、これは1955年の13.1%とほぼ同水準だ。当時のブラジルは、ジュセリーノ・クビシェキ大統領(JK)が「50年の発展を5年で」をスローガンに、ブラジルの工業化を加速させた。
だが、我々はその後の紆余曲折も経験した。JKは、公約を果たし工業部門は1970年末にはGDP比30%まで成長したが、次の1980年代以降、その比重は低下した。このプロセスの原因を分析することは、研究者の義務だろう。また産業は、未来に目を向け、実体経済の力を信じ続け、そこにある問題をどう解決するかという答えを見出すことが役割である。
多くの国々、例えばアジアの虎たちや中国などが、「国家事業」を用意し、立ち上げた。これらの国々は、工業部門を中心に成長を支え、経済を牽引するため、教育を重視した。ドイツも、厳格な財政と生産性と技術革新の重視という「自習」をして、欧州で注目すべき存在となった。
イノベーションに対する投資の拡大は、ブラジルにとって最も重要な課題とすべきものだ。だが、GDPに対する投資と研究開発の比重による2013年のランキングを見る限り、ブラジルは31位と厳しいものがある。この投資は、世界平均(2.3%)のおよそ半分に過ぎない1.2%で、韓国や日本、ドイツと比較すれば、極めて低い。しかもブラジルが直面しているのは投資不足だけでなく、労働生産性の改善やブラジルの産業部門が抱える高コスト体質も課題として挙げられる。何しろ、ブラジルの労働者1人当たりの生産性は、過去25年、平均でわずか1%引き上げられたに過ぎないのだ。
これらにブラジル・コストが影響したのは明白で、国際経営開発研究所(IMD)の2014年版国際競争力指数では、ブラジルは前年から4ランク下落し、ワースト7という不名誉なタイトルを受け取った。我が国は54位で、ブラジルよりも下位の国は、スロベニアとブルガリア、ギリシャ、アルゼンチン、クロアチア、ベネズエラしかいないのだ。他方、世界銀行の世界銀行報告書「DoingBusiness(ビジネス環境の現状)」の2014年版では、ブラジルは、何と116位である。
イノベーションと生産性は、車輪の両輪であり、産業のパフォーマンスを決定する3本柱の2本だ。そして経済において重要性が増している残りの1本は、持続可能性である。より公正で社会的包含の進んだ社会に貢献するという観点から、共有財産を生み出して問題を解決することを想定しない生産プロセスは、もはや成り立たない。
学者であれば、まだ解決に決定打のない日々の歴史を紡ぐ人たちのために、ブラジルの工業活動の軌跡を語って見るがいい。この部分は、産業活動を担う組織の機密事項なのだ。なぜなら産業は性質として競争的であり、イノベーションはある企業を成長させそのセグメントでトップに立つための原動力になるからだ。
他方、生産性の問題は、我々の抱える欠陥が本質的に不安定な教育制度と時代遅れな法律に由来するという点で、公権力が取り組むべき課題だ。必要な対策を講じて、改めて取り組むべきだ。真の工業政策、つまり、産業を正当かつ平等に扱い競争するための条件を整え、他国にも増して成長を可能にする政策を推進する力を公権力は備えている。
確固とした制度と機会の創出という成熟した経済をブラジルにもたらすために、我々は、アイデアを実行に移し、共通の目的を持って取り組むべきだ。過去に目を転じることは有益だが、そこから学び、将来に手を打つことこそ、より賢明であると言べきだろう。(2014年5月31日付けエスタード紙)