米中の経済は大きな相違があるにもかかわらず今後も強い関係を保って推移する見通し。
中国は2019年にアメリカを追い抜き、世界最大の経済国になる見通し。世界銀行と国際通貨基金(IMF)が予想しているもので、この年、購買力平価(PPP)で見た中国の国内総生産(GDP)は22兆4,000億ドルとなり、アメリカのGDPを3,000億ドル上回る。同様の基準を導入してムーディーズが5月に発表した予測では、中国がアメリカを上回るのは更に近く、2014年末としている。
米中の経済競争という側面ばかりに注目すると、地政学問題と同様に、相互依存関係を見落とすことになる。世銀のコンサルタント、オタヴィアーノ・カヌート氏は、中国が経済規模でランキングとトップに立つことそのものは、それほど大きな意味を持たないと指摘する。人口1人当たりのGDPと生活水準、購買力といった指標が、引き続き低水準に止まるためだ。人口1人当たりの所得が漸増しているとは言え、アメリカ国民1人当たりの所得は、2019年時点で中国人の4倍を記録する。カヌート氏は、「中国経済がアメリカ以上に重要な存在にはならないし、市場の魅力としてもアメリカとは比較にならない」と言う。
だが、中国がアメリカにとり重要な位置を占めていることには、疑問の余地はない。潤沢な外貨準備高を持つ中国は、米国債券の最大の保有者になっている。2013年10月までの時点で、中国は1兆3,000億ドルもの米国債を保有するのだ。その結果、アメリカは財政赤字に対して資金が調達でき、ほぼゼロ金利という戦略をとることが可能になっている。米中の二国間貿易は、アメリカ国内の需要が2008年の国際金融危機まで過熱気味だったことを背景に、1980年の50億ドルから2012年の5,360億ドルまで拡大した。
2013年の場合、アメリカは、米中の二国間貿易で3,184億ドルの赤字を計上した。2014年第1四半期には、更に691億ドルの赤字を計上している。ワシントンのコングレショナル・リサーチ・サービスによると、中国経済が輸出から消費へと軸足を移すことでこの赤字も緩和される見込みだ。食品に対する中国の需要は拡大を続け、アメリカは、中国通貨元のレートの調整と、輸入税率の縮小に期待している。
生産コストを引き下げるためにアメリカの企業は、現在、労働集約的な業界を中心に、中国国内で500億ドルから700億ドルの経済生産を継続している。だが、こうした動きは、中国国内の人件費の上昇と、海上輸送運賃の値上がりでブレーキがかかりつつある。むしろ、この数年は逆流現象すら起こっている。生産性向上に向けた中国のアメリカへの設備投資は、2007年に19億ドルだったが、2012年には171億ドルに拡大した。
米中間でクリティカルポイントとされるものの1つが、エネルギー問題である。アメリカはシェールガスとシェールオイルの開発でアメリカが比較的落ち着いた状況にある一方、中国は、成長を後押しするためにエネルギー源の確保に躍起になっている。
中国は2009年以降、世界最大の電力消費国であり、2013年に同国の需要は、アメリカ需要を70%も上回る規模に拡大する見込みだ。エコ・シティーの建設を進めると共に再生可能エネルギーに大きな期待を寄せており、官庁風力発電パークの建設や三峡ダムの建設に投資を進めている。
中国とアメリカは2013年にシェールオイルとシェールガスの探査に関する技術協力に署名している。シェールガスで中国は、1兆1,000億立方フィートと推定される世界最大規模の埋蔵資源を保有しているとされる。この資源が西部の砂漠地帯に位置することで、中国は水を使用せずにこのガスを生産する技術を必要としている。
この点でアメリカの研究が先んじている。ただし中国は、5月第4週、ウクライナ・クリミア問題に関連してアメリカとヨーロッパによる対ロシア制裁を無視し、ロシアから天然ガスを500億ドル調達するという契約を交わしている。(2014年5月31日付けエスタード紙)