セルソ・ミンギ
ジウマ政権で経済分野の戦略目標が混迷を続けている。より優先すべき課題、例えば経済活動の活性化あるいは雇用の拡大といったことが、一度たりとも明確になったことがないのだ。漠然と、それと察してきた状態だ。
完全雇用の状況にありながらGDPの成長が頭打ちの状態にある場合、政府と政府のエコノミストでさえ困惑を隠すことができないだろう。それほど、この2つの状態がどのように同居できるのかを説明することは難しいものだったし、これからも難しいものであり続けている。
同じテーマから派生したもう1つの問題は、完全雇用とインフレの間にある関連性だ。2か月前、アレシャンドレ・シュワルツマン元中銀理事が、インフレ抑制を図るために雇用を創出させ続ける必要があると認めた際、彼の行き過ぎた伝統的な経済理論が批判の的になった。
先週、経済発展に関するデータを長年にわたって分析しているエコノミスト、ゼツリオ・バルガス財団(FGV)の中野慶昭経済学部長も、現在のインフレの水準が低下するのは政府が経済政策として失業対策をしっかり行う場合に限られると警告した。
こうした意見は、一部にとどまらないのだ。インフレ白書どころか通貨政策委員会(Copom)の議事録においても、中銀は、過熱した労働市場がインフレ圧力につながっていることを認識している。
原理はこうだ。高インフレが購買力を蝕む要因になり、財とサービスの需要の縮小につながる。だが、給与がインフレと生産性を上回って推移していることで、中銀にとって好ましからざる状況を生み出す。つまり、給与が生産部門のコスト上昇に決定的な役割を果たすとともに、経済状況が許す以上の供給能力を上回って財とサービスの需要を喚起するのだ。
問題はそれだけに止まらず、余りにも複雑なので様々な議論を呼び起こすほどだ。シュワルツマン氏だけでなく中野氏も、中銀がこのほど承認した水準以上に政策金利を強力に引き上げることを支持する。しかも、そうした考えを持つ人々は少なくない。中銀のカルロス・ハミルトン・アラウージョ経済政策担当理事も、インフレ対策として金融引き締め政策の強化を支持している。経済が抱える問題は、例えば、供給を上回る需要、労働市場の状況が遠因になっている生産部門にとって高すぎるコスト、低迷する投資意欲、とりわけ、所得の上昇と需要の創出につながる公共部門による過度の支出などが多岐にわたるのだが、市場で流通する現金(年利7.5%の基本金利という価格が課されるもの)が、この様な問題に対して過剰になっていると彼らは受け止めている。
ジウマ政権の経済政策を担う中枢部は、インフレの通貨面の性向、とりわけ過度の公共支出が引き起こす問題からは目をそらそうとしている。例えば4月29日付けのバロール紙で国庫管理局のアルノ・アウグスチン局長は、政府が緊縮財政目標の達成を放棄したとコメントした。同局長によると、公共支出は力強い経済成長を保証するために必要なのだそうだ。そして、税制優遇政策の規模を考慮すると現在の経済の中で雇用水準をとやかく言う必要はないとアウグスチン局長は受け止めている。だが、このような無関心のために政府が将来支払うツケは大きなものになるだろう。(2013年4月30日付けエスタード紙)