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(論評)歴史に逆行する経済政策 2013/04/24

ネイサン・ブランチェ

1860年、エイブラハム・リンカーン大統領が米国会議において、賢明にも次のように演説した。曰く、「倹約を思いとどまって富を生み出すことはできない。富める者を破滅させて貧しい者を支援することはできない。当人の手で為し得てかつ為さなければならないことに対して当人に代わって為し続けることをもって人を助けることはできない」。不幸にして、ブラジル政府はこの考えを理解していなかった。

過去10年を通じて、ラテンアメリカでは経済発展という観点から、2つの異なるグループを見いだすことができる。一方は、メキシコとチリ、ペルー、コロンビア、ブラジル(ただしこれは2006年まで)。他方は、アルゼンチンとベネズエラ。

この最初のグループは、経済統治において、市場の開放と資本フローの自由化、変動為替相場制、財政責任、インフレターゲットの設定、運営の独立性の確保といったモデルを採用している。後者の経済ポリシーは、経済に対する国家権力の介入、より広範囲な保護貿易主義、資本フローの管理、価格の統制、財政目標に対する無責任さを基本としている。

第1グループは高い経済成長率と低い失業率、所得の拡大、インフレのコントロールを達成している。これに対し第2グループは、不安定な経済成長と投資の冷え込み、高いインフレ率、対外収支の悪化を記録している。後者の国には、製品の供給不足や、為替の闇レートが公定レートと50%以上の開きがあるケースもある。

2008年以降、とりわけジルマ大統領が当選して後のブラジルは、経済ガバナンスで見る限り、安定経済グループを離脱して第2グループに仲間入りした。装いを新たにした経済ガバナンスの大本営は、通貨政策と財政拡張主義、価格操作と為替の統制、工業部門の競争力確保を目的とした関税障壁の導入などに、余りに鈍感だ。その結果が、貿易収支の悪化と投資の落ち込み、みじめな成長率、そしてインフレの昂進なのだ。

さらに、信用供与と融資に対する金融操作税(IOF)など、市場のプレーヤーに対して頻繁に条件を変更したことから、ブラジルはまたもや、変貌を遂げて羽ばたくのを夢見るばかりの「醜いアヒルの子」に逆戻りした。しかも先行きが不透明なことで、ブラジルは、外貨準備高が大きいとはいえ、第1グループと比較して既にリスクプレミアムが上昇している。

経済指標と見通しが悪化しているが、政府は引き続き景気刺激策や包括政策、提案を次から次へと繰り出し、現在の経済ガバナンスに傾倒する度合いを拡大している。大統領に近い複数のアドバイザーが、次のようにアドバイスしている。1)現在年間4.5%に設定されているインフレターゲットの引き上げ。これは第1グループの平均(2.75%)よりもすでに高いのだが。2)経常支出を拡大させてプライマリーバランス黒字を削減する。3)外国為替市場におけるレアル安の誘導。4)官営銀行を通じて助成的な融資を強力に進める。この劣化した経済ガバナンスは、更に先行きを不透明にし、投資を縮小し、そして、経済成長をいっそう低調なものにする。しかも、2013年にブラジルが呼び込む資本フローが縮小し、出超を記録すると見られている。ブラジルは貯蓄率が低い国(GDP比14.8%)であり、したがって、このような国にとっては成長のために国外からの資金が必要なのだが、世界の過剰流動性を中心に見る限り、伝えられるデータは最悪だ。

2013年に経常収支赤字を埋め合わせるのに必要な資金は、110億ドルだ。この規模でドル資金のフローが確保されなければ、為替相場がレアル安に陥る可能性があり、悪いことに、公債の10%は外国人投資家の手にあり、また、彼らはおよそ3206億ドルを株式の形で保有している。この場合、影響はさらに高いインフレ率と、経済活動の後退だ。


大きく振れやすい経済指標と2014年の選挙を前に、政府が軸足を移した体制への賭けをいっそう強めるのか、あるいは、変動為替相場と財政責任、インフレターゲットの3本柱に基づく安定した経済ポリシーに回帰するのか、どちらだろうか。

政府が政策を変更して代替案を採用する可能性は、小さいだろう。とすれば、1970年代と1980年代に経験したような、先の見えない不況のトンネルに入り込むことになる。成長とインフレ、そして福祉に関連した支払いは、既に2015年から上昇を見るだろう。(2013年4月23日付けエスタード紙)

ネイサン・ブランチェ テンデンシアス・コンスルトリア・インテグラーダのマネージングパートナー。



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