先週のジウマ・ロウセフ大統領の発言は、金融市場関係者にインフレ抑制のために中銀が取ろうとしていたSelic金利の引上げに反対するものと解釈されて、金融市場ではボラティリティ状態を誘発して、先行き金利が減少する可能性など波紋を呼んでいた。
金融市場関係者にとって重要なことは、金融市場のボラティリティが高まって相場の変動が激しくなることによって、金融市場関係者の収益増加につながるために、発言に非常に気をつける必要があり、ジウマ大統領の発言であればなおさらである。
中銀では1990年代半ばから金融市場の先行きの予想には非常に慎重を期しており、インフレ動向、通貨政策委員会の議事録の作成、3カ月おきのインフレ予想レポート(中銀は上半期末のインフレ予想を5.5%から許容上限値6.5%を上回る6.7%に上方修正している)などによるボラティリティを最大限、予防する措置をとっている。
金融市場関係者は、ジウマ大統領が製造業部門や金融市場部門に熟知したエコノミストであることは認知しておらず、中銀総裁に比べるとインフレ、経済成長率、金利に対する発言は慎重ではない。
しかし好調な雇用創出、実質賃金の増加、継続する消費需要など経済成長が大幅に伸びる可能性はあるが、ジウマ大統領は高いインフレ率の高止まりに非常に憂慮している。
ジウマ大統領の支持率が高い要因として、低い失業率や選挙投票人のポケットにお金があることであり、ルーラ元大統領の政治姿勢を継続、ジウマ大統領がインフレ指数を許容上限値の6.5%を超えることを許容するのかだれにも分からない。
エコノミストのルイス・ゴンザガ氏はルーラ研究所で講演した時に、ルーラ元大統領並びにアントニオ・パロッシ元財務相がインフレの許容上限値の引き上げ容認を支持しており、アルミニオ・フラガ元中銀総裁の時にも容認したと説明している。
ジウマ大統領の政権1年目の2011年のGDP伸び率は2.7%、昨年は0.9%と非常に低いにも関わらず、2011年のインフレは6.5%、昨年は5.84%であったが、ジウマ大統領は経済成長率を優先、2005年にジウマ官房長官時代にパロッシ氏とパウロ・ベルナルド氏と財政プライマリー収支黒字の増加、公共支出の削減並びにインフレ低減などについて、いつも揉めていた経緯がある。
2005年11月にジウマ官房長官は金融政策でルーラ大統領を説得してパロッシ/ベルナルド両氏のプランを葬ったが、中銀のエンリケ・メイレーレス元総裁は連邦政府からの圧力があったにも関わらず、中銀の独立性を死守した。
製造業部門を中心に経済活性化のため減税政策を採用している影響で国庫庁の歳入は減少傾向にあり、2月の中銀、国庫庁並びに社会保障院(INSS)で構成される中央政府の財政プライマリー収支は64億1,200万レアルの赤字を計上して、2009年9月以降では最大の赤字を計上している。
好調な一般消費、低い失業率、クレジットの拡大並びに実質賃金の上昇などはアナリストの予想以上に長く継続をしているが、今後のGDP伸び率を上昇させるためには、とにかく投資拡大が必要となっている。(スエリ・カルダス女史 2013年3月31日エスタード紙)