結局のところ、どんな魔物なのだろうか?
世界の主要経済国の会議の場で、繰り返し、それも、よりしつこく主張されるようになったのが、ギド・マンテガ財務大臣が2010年9月から使用している、通貨戦争だ。
欧 州中銀(ECB)のマリオ・ドラギ総裁にとって、この魔物は存在しない。通貨戦争という表現はトーンが強すぎると、同総裁が13日、発言したばかりだ。だ が、フランスのフランソワ・オランド大統領は、形而学的な議論を好まない。同大統領は、早急に、通貨戦争などと名づけられたものへの対策を求めている。
この問題が人々を驚かせていることは、先進7か国(G7)の金融当局者らが署名し13日にイングランド銀行を通じて発表された声明から明らかだ。世界の主だった通貨当局者らが、為替は操作されるべきでないと再確認したのだから。
マ ンテガ財務大臣が批判をし始めた当時、その批判の矛先は、米国の連邦準備銀行(FRB)だった。同大臣は、経済成長路線への復帰を後押しするために認めら れた、数兆ドル規模のマネーストックの拡大を批判したのであり、また、今も批判している。この結果として、エマージング諸国の為替市場には外貨が氾濫し た。同大臣が指摘する最大の効果は、需給関係のシンプルな原則に基づく、国内通貨の値上がりだ。このドル安は、国産品のドル建て価格を引き上げ、生産部門 の競争力を殺いだ。この非難は、ジルマ・ロウセフ大統領が度々使った比喩で表現するならば、通貨の津波に見舞われた、と言うことになる。
だ が、各国の通貨当局者が同じことを言っているわけではない。現時点での懸念の矛先は、市場において月間450億ドル規模で証券の買い戻しを進めている (従ってドルを供給している)FRBの姿勢に対するものではなく、むしろ、通貨供給量を拡大して3カ月と経たずに円ドル相場を13%もの円安にした日銀に 向かっている。
オランド大統領の圧力は、つまり、ECBが惰性から目覚め、配備可能な通貨のバズーカ砲を使用することで、日銀が使ったの と同じ武器に比して十分に対抗可能なだけのユーロを発行するということである。もしこの要求が受け入れられれば、通貨戦争は、単なる概念として議論される だけの存在に止まらなくなるだろう。恐ろしい結末を迎える紛争になる。
日本の財務大臣も署名したG7の声明では、市場の自由競争に対する世界の紳士協定が再確認された。しかし歪みは大きく、単純な声明にとどまらない行動が必要な水準にきた。
経済成長への脱出を目指してこの金曜と土曜(2月15日と16日)にモスクワで予定されているG20の財務大臣・中銀総裁によるトップ会談で、議論ばかりが交わされ前進しない事態に陥るのは不可避のように思える。
2 つの疑問に、答えを出す必要があるだろう。第1に、今回ばかりは、取るに足らない宣言とその他の事柄、更に現状のような名前をあれこれ付けていじっただけ のもの以上に、成果があるのかどうか。そして第2に、大国の中銀が自国経済の復活に向けて為替を利用することが禁じらた状態の場合、やってくる不況を収束 させるために何ができるのかということだ。(2013年2月13日付エスタード紙 セルソ・ミンギ)