大統領補佐官が16日、国家プロジェクトで譲歩することなく2国間条約を進めることが大統領の方針と発言。ブラジルは、中国の手法を踏襲へ
ジウマ政権の貿易政策は、「石橋を叩いて渡る」もので、かつ、地域の統合を図る中国の手法をまねるが、中国ほどのアグレッシブさはなく、南米諸国とのパートナーシップを軸とする。大統領補佐官の1人が、エスタード紙に明らかにした。
この補佐官によると、自由貿易圏の設立に向けた交渉を開始すると米国と欧州連合(EU)が発表したが、ブラジルがこれまで採用してきた貿易政策の方針は、一切変更されない。「枝葉の問題に動揺することなく、自然体で推進する」と言う。
し かし外務省内では、国際舞台の最前線における活動が縮小することに憂慮の色を濃くしている。国際交渉のある専門家によると、ブラジルは、工業政策で取るべ き態度を固める必要があると言う。つまり、国内市場の規模に即したものをすべて国内で生産するのか、それとも、世界に市場を開放するのかだ。
大 統領補佐官によると、ヨーロッパ連合とカナダとの2国間協定の締結に向けた交渉は進めるが、その場合も「現実主義」を貫き、推進中の「国家プロジェクト」 において譲歩することはない。「2国間協定は生産を特化させていくが、それは、多様な産業が育っているブラジルには不適切だ」と言う。
ま たジウマ政権は、「保護貿易主義」との批判に反論する。その論旨とは、ブラジルがWTO協定をすべて履行しており、「外資の投資に対して世界で最も開かれ た国」で、そのため、ブラジル国内に進出したあらゆる企業に対して、社会経済開発銀行(BNDES)からの融資を伴う、国の支援を受けることができること ができると言うものだ。
この政府関係者はさらに、ジウマ政権が中国の手法を「注視している」ことも明らかにした。中国は、仁保と韓国を中 心とした周辺国を通じて、数10年をかけて国際化を進めた。しかしブラジルは、中国のような「積極性」はなく、むしろ、「ソフトパワー」と「生産の統合」 に注力する。
民間アナリストは、ジウマ・ロウセフ大統領のガバナンスは、貿易政策に混乱を来していると指摘する。政府は、ルーラ政権下で 採用された貧困国との融和演説の発起人である一方、先進国との2国間条約も推進しようとしている。たが、同時に、鉄鋼製品あるいは化学製品などの原材料の 輸入関税を引き上げ、輸入車の国内市場参入に対する規制を強化した。
ゼツリオ・バルガス財団(FGV)のリア・ヴァルス教授は、「ブラジ ルの貧弱な2国間協定は、一部の業界に対して慎重で保護の必要がある大国にとって、選択可能なオプションの1つになることを意味する。だが我が国は、アル ゼンチンあるいはベネズエラほど、頑固でもない。この問題に関するオープンな議論は、結論が出ない」と言う。
メルコスル・EU自由貿易協 定について。ブラジル政府にとって関心の高い交渉の1つが、メルコスル・EU自由貿易協定交渉だ。1月にブラジリアで開催されたブラジルとEUとの戦略的 提携に向けた協議に出席した政府関係者によると、ジウマ大統領は、欧州との協議の再開に「並々ならぬ決意」を表明した。
2012年下半期には、市場開放に向けた双方の提案が示される見込み。ある関係者によるとこの交渉の再開が遅れている理由は、パラグアイのメルコスルへの復帰が、大統領選の実施とこれに伴う新大統領の就任後になるため。
開発・産業・貿易省は欧州との自由貿易協定に関して財界から意見招請を実施済み。工業部門が置かれた状況は以前よりも厳しくなっているが、多くの業界が、2004年当時に示した提案を再び提示した。
し かし、ブラジルにとっての最大の課題は、クリスチーナ・キルチネル大統領が率いるアルゼンチンに対して、欧州と真剣に交渉するよう納得させることである。 2月末には、メルコスルのパートナーである両国の大統領が、もてビデオで会談を予定しており、事務方はこの問題を取り上げる方向で努力している。 (2013年2月17日付エスタード紙)