さらなる利下げの場合は「最小限」に
中央銀行は声明の中で、追加の利下げは景気の回復次第との認識を示した
中央銀行は29日、連続して9度目となる利下げを実施、基本金利を8.0%から7.5%へ、歴史的な低水準に引き下げた。通貨政策委員会(Copom)は、次回10月の会議でも、ブラジル経済基本金利(Selic)を追加で利下げする可能性を示したものの、景気の回復が明確になった場合には利下げサイクルを終了させる可能性も残した。もし、再度利下げする必要性が示された場合でも、下げ幅はより小さなものになる。
金融市場関係者の大部分が、29日の利下げ判断を既に予想していた。さらに、アナリストの一部は、発表に合わせて公表された声明により、40日後に0.25パーセントポイントの追加利下げが実施される観測が強まったと判断、サンパウロ証券取引所(BM&FBovespa)で取引される金利も、同様の値動きを示した。ただし、Selicの利下げサイクルが終了したと見るエコノミストも増加している。
声明で中央銀行は、今回の判断が全会一致によるものだったことを明らかにした。この声明ではさらに、既に実施された利下げが、景気の回復「過程」へ部分的に反映されているとも言及。このため、もし経済状況に金利の「追加的調整が加えられる」場合には、「その作業は最小限にとどめられるべきである」。
Selicの利下げサイクルが終わろうとしていることを示すもう1つのサインは、これまで3度の声明で一貫して使用してきた2つの言葉を省略したこと。それは、「グローバル経済の脆弱性」という言葉と、インフレに対する限定的リスクという表現である。
アナリストの一部は29日まで、2012年に2%未満の成長に止まるような、ブラジルの景気が鈍化する事態に陥れば、中央銀行が基本金利を年内に7.0%に引き下げると考えていた。同様に、経済成長とインフレの加速が2012年を上回ることへの対応として、中央銀行が2013年の年明けに今度は利上げに転じるのを回避する目的で、年内の利下げをストップさせるとの見方も存在する。
「兆候」
エスピリト・サント投資銀行のシニアエコノミストのフラヴィオ・セラーノ氏は、より明確な回復の兆候が示された場合、財務省が発表した景気刺激策を考慮して、今回の利下げが現在の政策サイクルで最後の利下げになると考えるグループの一員である。「私たちは、工業部門が空回りしつつもサービス業と雇用が堅調なことで、経済活動に好転の兆しがあると予想している。そしてインフレは10月から12月にかけて高進して悪化すると想定している。
基本金利は、中央銀行が市場を驚かせて利下げをスタートした2011年8月以降、Selicは12.5%から引き下げられてきた。当時はインフレが、政府の設定したインフレターゲット上限である6.5%を突破する勢いだった。しかしながら中央銀行は、国際経済危機が想定を上回って長期化し、成長率と物価を引き下げると判断した。
この経済危機に伴って先行きの不透明感が増し、経済回復が緩やかになったことで、アナリストは、今後数年の見通しに修正を加えた。Selicは引き続き史上最低水準で一定期間推移し、利上げに転じるのは2013年第2四半期というのが、現在の見通しである。証券取引市場で取引される契約は、基本金利が少なくとも今後10年間は10%以下の水準で推移するという見通しを示す。
貯蓄
中央銀行によると、消費者に対して課徴される金利の平均は、1年前の46%から36.5%に低下した。この金利の低下はSelicに利下げだけに追うものではなく、むしろ、政府の方針に従って自らマージンを削減した、官営銀行の政策に負うところが大きい。
金利が下落したその他の要因には、新しいポウパンサ預金とその他の投資の利益率が減少したこと。Selicが年利8%の場合、5月4日以降に預金されたポウパンサ預金の金利は、基準金利(TR)に月利0.4551%の上乗せとなる。現時点では、修正後の金利は0.42%前後となる。5月4日より前に預金された資金に対しては、TRに0.5%の上乗せが保証されている。(2012年8月30日付エスタード紙)