ヨーロッパの債務危機や先進諸国の景気後退によるブラジル国内経済の停滞によるインフレ懸念の減少などの要因で、昨日、中銀の通貨政策委員会(Copom)は、政策誘導金利(Selic)を全会一致で0.5%切下げて8.0%に決定したために、過去最低の金利を更新した。
昨年8月から開始したSelic金利の切り下げは、8回連続となって累計で4.5%切り下げられているにも関わらず、Selic金利の切下げ効果が表面化するのは6カ月以上かかるために、今年第4四半期からの景気回復が期待されている。
今年上半期の鉱工業部門のGDP伸び率は白物家電や自動車部門向け工業製品税(IPI)減税政策の導入にも関わらず、予想を大幅に下回っているために、今年の同部門のGDP伸び率はゼロ近辺にとどまると予想されている。
またブラジル地理統計院(IBGE)の発表によると、5月の小売販売はマイナス0.8%と予想されていた0.5%増加から一転して、大幅なマイナスを記録して一般消費の落ち込みが表面化してきている。
大半の金融スペシャリストは、8月のCopom委員会でSelic金利は更に0.5%切下げられ年末のSelic金利7.5%を予想、しかし、イタウー銀行のエコノミストのアウレリオ・ビカーリョ氏は、10月にも再度0.5%切下げられ年末には7.0%になると予想している。
ポウパンサ預金の年利は、現行の月利0.5%(年間6.17%)プラス参考金利(TR)で5月3日までの預金については継続、5月4日以降のポウパンサ預金の年利はSelic金利が8.5%以下になった場合に、Selic金利の70%プラスTRの適用が決定されていた。
今回のSelic金利0.5%の引下げによるポウパンサ預金の金利は5.6%プラスTR金利となるが、他の確定金利付きファンドの管理費が1.0%であればポウパンサ預金との収益率の差はほとんどなくなるために、同ファンドへの投資の妙味がなくなってきている。
インフレ分を差引いた実質金利の世界各国の比較では、中国が3.7%と世界最高金利となり、次いでロシアが3.5%で2位、長らく世界トップの高金利を維持していたブラジルは2.3%で3位に後退している。
チリの実質金利は2.2%で4位、次いでコロンビアの2.0%、オーストラリアの1.9%、ハンガリーの1.6%、マレーシア並びにフィリピン、インドネシアはそれぞれ1.2%となっている。(2012年7月12日付けエスタード紙)