ヨーロッパの債務危機や米国の景気先行き不透明感の増加に伴って、ブラジルの国内総生産(GDP)伸び率が鉱工業部門を中心に停滞しており、ブラジル経済を活性化するために鉱工業部門の家電業界並びに自動車業界向けに、連邦政府は今年8月末まで工業製品税(IPI)減税措置の延長を決定した。
5月の鉱工業部門の生産伸び率は、9カ月連続で減少してマイナス4.3%を記録したにも関わらず、IPI減税措置の延長の恩恵を受けて、白物家電並びに自動車部門の売上は大きく伸びている。
全国自動車販売業者連盟(Fenabrave)の統計によると、IPI減税措置採用前の5月の1日当たりの新車販売は1万3,000台であったが、6月は1万6,000台に増加、また自動車購入クレジットの承認率は、35%から55%と大幅に上昇している。
「IPI減税措置の延長がなければ自動車販売は大幅に落ち込んでいたことは明確であり、8月末で減税措置は終了するが、更なる延長を継続してもらいたい」とFenabrave連盟のフラヴィオ・メネゲッテ会長は連邦政府に要請している。
昨年12月から開始されたIPI減税措置の影響で、白物家電向けの今年上半期の冷蔵庫販売は前年同期比12%、洗濯機は10%、ガスオーブンは13%とそれぞれ大幅に増加している。
「8月末で白物家電向けIPI減税措置は終了するが、国内経済の落ち込みを避けるために更なる減税措置の継続を連邦政府に要請する」と全国電気電子製品メーカー会(Eletros)のロウリヴァル・キスーラ会長はコメントしている。
「連邦政府が採用している一連の減税措置による効果が表面化するのは、下半期末から来年初めにかけてとなるために、今年の鉱工業部門の生産増加は期待できない」とジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)のエメルソン・マルサル教授はコメントしている。
レアル高の為替で中国から安価な機械・装置の輸入が急増して、ブラジル国内市場を席巻している影響を受けて、機械・装置の最大手メーカーのロミ社は、サンパウロ州サンタ・バルバラ・ド・オエステ市の工作機械工場の従業員320人の解雇を余儀なくされている。
またトラック並びにバスメーカーのボルボ社のクリチーバ工場では、トラック販売が大幅に減少しているために生産調整を余儀なくされており、200人以上の従業員を解雇している。(2012年7月5日付けエスタード紙)