パラグアイでは大統領が弾劾により罷免。アルゼンチンではトラック運転手らによるストが発生して国がまひ。ベネズエラでは大統領が国政を放り出してがん治療のために姿を消した。ブラジルに至ってはとどまるところを知らない。政府は議員調査委員会(CPI)を操作、議員自身らの給与を青天井のように引き上げ、元大統領は司法に介入しブラジル国民は思い出したくもなかった汚職で告発された1人の政治家を生き返らせようとした。ラテンアメリカは専ら慌ただしい状況だ。政治的不安定は現在に影響し、経済的不安定は未来に暗雲をもたらす、しかも、経済シナリオは自ずと制限され国家の発展を遅らせることになる。
ゼツリオ・バルガス財団(FGV)がラテンアメリカの経営者811人を対象に聞き取りを行った、ビジネスに関するグローバル・アウトルック(Panorama Global dos Negocios)は、まさにこの状況を如実に証明している。2008年の国際金融危機と、その後の2009年から2011年にかけて中南米が記録した景気回復は、2012年、大きな危機にさらされている。この調査によると、財務担当役員の43%が今後の見通しに悲観的で、楽観的な見方を示したのはわずか27%にすぎない。経済危機の表舞台である米国とヨーロッパにおいて、同様の調査による比率はそれぞれ25.1%と20.8%のため、その状況よりもわずかに良好というだけにすぎない。むしろ、こちらの将来展望は、より力強くあるべきだ。
今までもずっとそうだったが、汚職は、ビジネスの発展を阻害する最大の問題と、この調査で指摘された。企業経営者の71%が、汚職行為は、ラテンアメリカ経済の発展に対して大きな打撃を与えていると指摘する。「その他の地域と比較すると、この水準は極めて高い。ここでは、汚職がまん延している」と、FGVのアントニオ・カルバーリョ調査主任は分析する。例えば米国では、汚職がビジネスに悪影響を与えていると指摘する企業経営者は、8%にとどまる。
ブラジルでは、2010年に7.5%のGDP成長率が記録したが、2011年には2.7%に暴落、2012年も引き続き前年を下回る見通しで、現時点の予想は、2.0%から2.5%の間を揺れ動いている。クレディ・スイス銀行は、自社の予想を1.5%という目も当てられない水準に下方修正し、マンテガ財務大臣をいらだたせた。もし、達成され得ないような非現実的な数字にこだわり注力する代わりに、大臣が、成長にとって構造的な障壁になっているものを排除するために努力するなら、その結果は必ずより良いものになるはずだ。
ところが、アルゼンチンからは懸念材料がそれも急激な勢いで押し寄せ、更にルーゴ大統領の失脚という驚くべきニュースももたらされた。クリスチーナ・キルチネル大統領は昨年12月の就任に当たって、アルゼンチン・カトリック大学の総合期待感指数で、同国の経済を良いと答えた人は38%、一方で、悪いと答えた人はわずか17%にとどまり、我が世の春をおう歌する陶酔感に浸った。ところがその陶酔感は、わずか5か月間で一変した。景気が悪いと答えた人はこの間に倍増して34%に、一方で良いと答えた人は24%に激減した。この期間、インフレが高進したものの政府はその指数を操作し続けてきた。投資ペースは、2011年3月から2012年3月にかけて21%落ち込み、政府が支持率の回復を狙ってスペイン資本の石油会社レプソルを国有化しようと試みる中で、投資家らは投資を引き揚げた。4月以降、経済は減速し、停滞した。GDP成長率の見通しは(例えばIMFは4.6%を予想するが)、下方修正が加えられている。その仕上げとして、20日にはトラック運転手らが決行したストにより、物流を麻ひさせ、この国を燃料不足に追い込み、落ち目のクリスチーナ政権の支持率にさらなる打撃を耐えた。
景気が悪化する中で雇用が高い水準で維持されていることは、中でも印象的な(かつ希望につながる)話題だ。そしてそれは、何もブラジルだけに限らない。調査によると、悲観的な見方が広がるのと同時に、ラテンアメリカ諸国の企業経営者の間では、2012年に雇用を拡大させるという声が広がっている。ブラジルでは、複数のエコノミストが同様に、労働者の解雇は景気悪化に対する予防手段としては最後の手段だと説明する。2008年の国際金融危機当時、将来に対する悲観的な見方から大手企業は早急に雇用を削減したこととは、大きく異なる。そしてこのように、ラテンアメリカは不安定に、つまずきながら、時には高く、時には低く、移ろい行く。更に突然、今回のルーゴ大統領弾劾のような、予期しない事態が発生する。政治改革は、その他のあらゆる改革の出発点として、中南米にとっても歓迎すべきものだろう。(2012年6月24日付エスタード紙 スエリー・カルダス氏)