ジウマ・ロウセフ大統領は数日前、新たな活動モデルに基づく税制改革を実施すると約束した。発表する代わりに、実施するという。国際的な提案をする代わりに、局所的な対策を施す。ルーラ政権においてブラジル政府は数年をかけて州知事と国会議員との交渉を重ねてきたものが、ここへきて打ち切られ、そうして、当初の提案は捻じ曲げられ、矮小化され、わずかにICMSの統一というだけのものに縮小した。にもかかわらず、国会に対して案を提出するのが断念されたのは、その立法化が拒否されるからだ。ジルマ大統領は疲れ果てた末に、別の馬に乗り換える。その好例は、減税を約束した電気料金だろう。発表されたものの、しかし、これまでのところ実現していない。
財務大臣閣下は、そのメッセージを次のように理解したようだ。つまり、税制改革はタイムリーで、実際的、かつ柔軟でなければならず、いわば、その時に吹く風次第。そうして、税体系には何ら手が加えられず、変更されずにいる。もし自動車メーカーの完成車用駐車場が満杯であるなら、その対策に減税を実施して業界が売りまくり、在庫が削減されると3か月後には元の鞘に収まる。もしその他の業種で在庫が積み上がり生産が落ち込んだというのなら、圧力をかけるだけの力を持った実業家と労働者がブラジリア詣でをする。自動車産業がやっているように。
税制改革は可能だし、大統領が希望しているように、税負担は縮小されるべきだ。その改革はカルドーゾ政権下とルーラ政権下で進捗を見なかったが、それは、誤った手順を踏んだからだ。つまり、枠組みとして交渉の俎上に上げ、最終的に交渉の意味を失わせるような、1つあるいはそれ以上の税金に対する政治的取引の余地を与えてしまった。しかしながら、枠組みとして検討することは絶対的に不可欠で、単なる課税率だけでなく、税金の種類を減らすこと、単純化の模索、徴収と納付の簡略化と、脱税を困難にするといったことも含まれるのだ。
軍事独裁政権時代から、財政的な根拠を取り繕うためにつかの間の破綻を重ねてきたことで租税システムは文字通り化け物と化しており、同じ税体系を維持してこれを修正せずに改革を実施するのは不可能だ。より平易に言うなら、過去40年、歴代の政権がその財力以上に支出してきたことが原因で連邦予算はいつもどこかで何か新しい破綻を来し、そのために税金が次々と導入されてきた。こうして、電気料金と防災市税、その他の計9つの料金組み込まれる連邦税の社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)が、生み出された。そして納税者は、次第に負担が重くなる政府に対して、税金を支払い続ける。こうして産業も次第に、競争力を失っていく。
ジウマ政権の実利的なスタイルは、まさにちょうど良いタイミング、そして適切な状況で、歓迎されつつ登場した。問題は、経済スタッフが別々のものを同一視していること、つまり、税制改革を一時的な減税と混同していることだ。インフラに対する民間投資を刺激するために規制を改革する代わりに、消費に関連した生産に融資すべく助成金によってBNDESの現金預金を潤沢にしている。即時至上主義は、本当の問題を隠してしまう。
より広い視野で物事を考え、この国の構造的ジレンマと、成長にブレーキをかけて生産性を圧殺して工業部門の競争力を弱体化させるボトルネックに意識が及ぶ人から、ジルマ大統領はアドバイスを受ける必要がある。それは二次的な、そしてある1つの業界だけに関連した減税措置によって解決されることはない。このつかの間の息継ぎは、問題を解決するどころか、悪性の害毒を工業部門に植え付ける。
消費を通じた成長モデルは、疲弊しているかどうか、今年3%から4%の成長に復帰できるかどうかを論拠として導入された。この議論は、真の目的が自動車メーカーの完成車用駐車場をがら空きにし労働者の解雇を回避することにあるため、まさに狙いを外したものになっている。景気の冷え込みを反転させる能力という点では、はるか明日の方向にある。しかしながら、まさにこれが政府の提示した行動計画なのだ。
成長路線に復帰するために偽薬の点滴を打つことでジルマ政権は、効力がありまさに進むべき方向に向かうことを放棄した。それは、改革の実施と、インフラと労働者への教育に対する投資、ブラジル国内の生産コストの削減、貯蓄率と投資比率の引き上げ。そして何よりも、政府が財政を緊縮化し、その支出を合理化し、投資を拡大することなのだが。(2012年5月27日付エスタード紙 スエリー・カルダス氏)