世界の鉄鉱石生産トップのヴァーレ社の社長を10年間近く務めていて、その手腕が広く知れ渡っているロジェール・アグネリ社長が鉱山エネルギー省鉱産局(DNPM)との間でロイヤリティ支払い問題など揉めているために、ギド・マンテガ財務相から大株主のブラデスコ銀行経営審議会のラザロ・ブランダン会長に社長交代の要請がでていた。
ヴァーレ社は1997年に民営化されているにも関わらず、連邦政府は社会経済開発銀行(BNDES)並びにブラジル銀行年金ファンド(Previ)を通してヴァーレに出資、しかしアグネリ社長交代させるには大株主のブラデスコ銀行の支持が必要となっている。
アグネリ社長はルーラ大統領と非常に良い関係を保っていたが、2008年の世界金融危機でヴァーレ社では従業員の削減並びに投資の中止を実施したために、ルーラ大統領から非難されて政府との関係がこじれ始めた。
連邦政府は国内の造船業界活性化のために優遇税制適用などで支援、しかしヴァーレは昨年11月に中国向け鉄鉱石運搬用に30万トンのタンカー2隻を日本に発注していた。
またマンテガ財務相の親友でBNDES銀行総裁からヴァーレ社の取締役に就任していたデミアン・フィオッカ取締役を2007年に解任、ジウマ・ロウセフ大統領はアグネリ社長解任でヴァーレ社の経営陣一団が反対表明をしたことに、いらだちを表していた経緯があった。
アグネリ社長の有望な後任として同社の基礎金属オペレーション取締役でカナダのインコ社社長を兼任しているチト・マルチンス氏の名前が挙がっており、2009年7月に始まって1年間継続したインコ社のストライキを解決して、コスト削減と競争力を引上げた手腕が非常に評価されている。
アグネリ社長はヴァーレ就任時の2001年の売上は41億ドルであったが、2010年には10倍以上の464億ドル、純益は13億ドルから173億ドル、鉄鉱石生産は1億3,400万トンから2億9,700万トンにそれぞれ増加させている。(2011年3月30日付けフォーリャ・デ・サンパウロ紙)