財政調整策が与える心理的なマイナス要素を払拭して景気に対して明るい見通しを確保するため、ジウマ・ロウセフ大統領は9日、高速道路と鉄道、港湾、空港に対する新たな民営化計画を発表した。物流インフラ投資計画(PIL)と名付けられたこの計画で、連邦政府は、総額1984億レアルの投資を見込んでいる。この発表に当たってジウマ大統領は、ひと握りの「大規模かつ野心的な事業」を縮小するものではないが、むしろ、具体的なデータと堅実な活動計画に基づいた事業であると強調した。
想定する総投資額の内、少なくとも565億レアルは、実現が極めて難しいと位置づけられているプロジェクトである。また並行して、これらの大きな金額は、経済状況の中でそれぞれの期待されるような景気の後押しを受けた場合に計上されるという、期待を含めたものである。
実現の可能性が高いとされる事業であっても、ジョアキン・レヴィー財務大臣が認めるように、最低でも2015年には不況の影響を受ける。事業入札の大部分は2016年以降に実施する方向でまとめられている。また計画の多くは、結果がまとめられるまでに6か月から1年を要する実現可能性調査(FS:フィジビリティスタディ)の結果に依存している。
このため市場は、今回の発表を注意深く受け止めた格好だ。連邦政府の発表はいずれも明るい話題を提供したが、それでも、FSを実施して策定してコンセッショネアに提示する内部利益率など、重要と位置づけられる細かい部分には踏み込んでいない。投資家の反応も同様に冷ややかなものだった。連邦政府が今回発表した民営化に参画する可能性の高いブラジル企業の株価は、連邦政府の発表後にむしろ値下がりしたのである。
極めて大きな課題を抱えて実現可能性が疑問視されている象徴的な計画が、太平洋と大西洋を結ぶ鉄道で、南米大陸横断鉄道、あるいは大洋間連絡鉄道と呼ばれるものである。どちらの名前が採用されるにしろ、実際問題としてこれまでのところブラジル政府と中国政府が認識しているのは、ブラジルとペルーにまたがるこの鉄道線の建設コストが、ブラジル国内だけでも最低で400億レアルに達することだ。既に財界はこの事業を、実現に向けて計画が実行されたことのない高速鉄道(TAV)同様、計画倒れと受け止めている。(2015年6月10日付けエスタード紙)