エコノミストで元財務省経済政策担当長官のMB Associados社のジョゼ・ロベルト・メンドンサ・デ・バーロス共営者は過去数カ月間に亘って、設備投資用機械・装置輸入の減少並びに資本財の生産減少の兆候で、投資減少を心配している。
同氏は2008年の世界金融危機時には、多国籍企業は本社から海外での損失を補填するためにブラジル国内での投資を拡大するように指令があったが、今回はシナリオが全く違っている、と説明する。
多国籍企業は金融危機に対処するべく資金調達のために投資を削減、「2008年の金融危機では消費者や銀行が破綻、しかし今回は政府の危機であり、規模がもっと大きい」とエコノミストは説明、投資削減は経済成長の減速や来年第2四半期の更なるインフレに反映するとみている。
<以下、記者質問とバーロス氏の応答>
-記者質問:投資が委縮してきていると思いますか。
全ての指数はその方向を示している。財務省のネルソン・バルボーザ長官はヴァロール・エコノミコ紙のインタビューで、現在の投資のGDP比率が18%と、20%近くあった比率から低下してきていると述べている。
資本財の輸入量が急減しており、昨年の第3四半期の資本財輸入は前年同期比73%増加、今年の第1四半期は36%増加、しかし第3四半期は僅かに4.0%増加と明確な減少を示している。
国内の資本財の生産は20%増加から第3四半期は僅かに4%増加とブラジル地理統計院(IBGE)の建設部門の消費同様の傾向を示しており、社会経済開発銀行(BNDES)の投資向けクレジットも減速、また連邦政府の公共投資向け支出も大幅に減少している。
また公共投資の先送りも行われており、2007年に開始された石油化学コンビナートComperjプロジェクトは2012年の操業が予定されていたにも関わらず、電力送電建設や環境ライセンス認可の遅れなどで、プロジェクトのコストが当初から大幅に増加したために、2017年の操業に先送りされる。またペトロブラス石油公社の多くのプロジェクトは遅れている。
-記者質問:投資コストに関してはどうですか
コストは資金不足だけではなく全体的に増加、コスト上昇はコンスタントに続いているために、プロジェクトの収益性が圧迫されている。一方でライセンス許可は重要であるが、プロジェクト関連の環境整備不足、例えば装置の性能が不十分であったり、税制問題や良質なマンパワー不足など何時も問題になっている。
-記者質問:金融危機の大きさが投資減速につながっていますか
ある程度はそうです。多国籍企業は明確に投資にブレーキをかけている。
-記者質問:しかし海外投資家の投資額は引き続き非常に高いですが
その一部は企業買収とその他は金利です。2009年と2010年の多国籍企業は本社から海外での収益悪化をカバーするために、ブラジル国内での投資加速の指示があった。
しかし今回は逆であり、特に米国企業です。本社ではヨーロッパでの債務危機や米国の経済成長減速に驚愕している。予想よりも収益がよかった多くの企業は先行き不安から更に1億ドル、2億ドル、3億ドルと手元資金調達のために、人員整理や規模縮小につながる可能性はあるが、ブラジルでの投資中止とは違っている。
企業経営者は今回の危機は予測不可能な世界的リセッションと見込んでおり、しかし私は世界情勢が悲観的シナリオになっても、ブラジルへの投資には問題ないと確信している。
-記者質問:2008年の金融危機はこの動きはなかったですか
2008年の金融危機は銀行や消費者の破綻であり、連邦準備制度理事会が大量の公的資金を注入、ある企業の経営状態はそれほど悪くなかったために、ブラジル、中国やその他の早期回復並びに金利低下で、基本的に恩恵を受けて回復した。
しかし銀行は信用収縮で融資先がないために収益が悪化、先を争ってリスクの小さい融資先を奪い合っていたが、企業経営者は資金調達ではあわてることはなかった。
しかし今回の金融危機では企業経営者が今後発生する可能性のある世界的リセッションに対して驚いており、われわれはヨーロッパ情勢が益々悪化するにも関わらず、大きなリセッション入りにはならないと予想、危機は政府の問題であり、その範囲は大きい。
それ以上にヨーロッパではリセッションが避けられず、米国財政赤字の追加削減策の協議決裂で問題解決は来年にずれ込む。オバマ大統領の勝利もしくは共和党の勝利では大きく違ってくる。
企業経営者達は運転資金調達以外にこの状況を見て心配や疑問を持っている。多くの場合投資先送りを行っており、投資減少を心配している。
-記者質問:しかし投資発表は継続して拡大していますが
投資発表の数字は非常に良い、しかしよく注意を払う必要がある。この発表の数値は投資計画が修正されているものもあり、修正後の数値は表面に出ない。よい例が自動車部門の投資です。ここ数年間の自動車部門の投資計画は拡大してきているが、海外のシナリオや米国市場の経済回復の困難で、投資は先延ばしを余儀なくされている。
また数値では判らない投資額として発表された投資計画が3年、7年先送りされると投資比率が減少する。工場の投資も同じことで減少、その上に皆が感じていることであるが、ドル為替変動の影響で最終的には企業の収益が悪化した。
ドルの為替変動は会計上では表面化しないが、負債は増加するために投資の先送りを余儀なくされる。今日、私が最も心配するのは企業経営者が投資意欲を失うことである。
-記者質問:投資減退の反射は何ですか
経済成長の制限。
-記者質問:この制限は更なるインフレにつながりますか
来年の第2四半期に表面化すると思う。連邦政府のシナリオの確認、世界経済後退、為替安。為替安になれば輸入での国内需要をおぎなうことは、インフレリスク削減にはつながらない。(2011年11月21日付けエスタード紙)