ブラジルの多国籍企業は積極的に海外で事業を展開しているにも関わらず、ギリシャを発端とした債務危機がイタリアに飛び火して、今後のヨーロッパ連合国の経済の先行き不安増加や米国の一向に改善しない失業率などで、先進諸国での事業拡大にブレーキがかかっている。
しかしインフレ分を差引いた実質金利が世界トップのブラジルの金利やレアル高の為替などで、ブラジル国内の確定金利付き投資の方が海外での事業展開による収益性よりも有利になってきている。
連邦政府は海外で金利の安い資金を調達して、実質金利が世界トップのブラジル国債などの確定金利付き投資を行うキャリートレードなどによる外資流入を阻止するために、金融取引税(IOF)を2度に亘り6%に引上げた。
さらにブラジルの商業銀行や企業の海外での低金利の資金調達に対して、IOF税6%並びに借入期間を1年から2年間に延長した影響で、短期金融投資は減少していたが、過去12カ月間の対内直接投資が大幅に増加して、益々のレアル高の為替に傾いている。
政府系シンクタンクの応用経済調査院(Ipea)では、昨年11月から今年9月までのブラジル人によるIOF税の6%の課税が免除される製造部門の直接投資残高(IDB)が53億ドルと大幅に上昇して要因として、IOF課税を避けるために直接投資金として流入、それが確定金利付きファンド向け投資に流れ込んでいると見込んでいる。
8月の過去12カ月間の海外投資家によるIOF税6%課税対象となる金融投資向け直接投資は24.2%減少の492億ドルまで減少、しかし対内直接投資は176.6%増加の754億ドルに増加、さらにIDBを含む対内直接投資は216.9%増加して一層の為替高に傾くために、不正判定のシステムを早急に開発する必要がある。(2011年11月16日付けエスタード紙)