8月13日に一挙に5.0%の政策金利引き上げで、年利が45%で世界最高の高金利国になっていたアルゼンチンの中銀は、昨日トルコの通貨危機が飛び火した影響で更なるアルゼンチンペソの暴落防止対策として、政策金利を一挙に15%引上げて60%に決定した。
昨日アルゼンチン中銀は、政策金利の大幅利上げと共に5億ドル相当のドル介入をしたにも関わらず、アルゼンチンペソは、前日比11.0%下落の1ドル38.20ペソに暴落している。
アルゼンチンペソの暴落で、ブラジル通貨レアルへの影響を最大限に抑制するために、昨日のブラジル中銀では、15億ドル相当のドル介入を余儀なくされたが、一時レアル通貨はR$4.21まで下落したものの、終値は前日比0.84%増加のR$4.15で収まった。
29日にマクリ大統領は、国際通貨基金(IMF)との間で必要なあらゆる資金を前倒しで手当てすることで合意したと発表したが、これがかえって裏目に出て金融市場の不安を煽った結果となったと2002年~2005年まで財務長官を務めたGuillermo Nielsen氏はコメントしている。
BTG Pactual銀行アルゼンチン支店エコノミストのAlejo Costa氏は、今年のアルゼンチンのGDP伸び率はマイナス2.0%、インフレ指数を45.0%と予想、またマクリ政権最後の来年のGDP伸び率は0.0%を予想している。
マクリ大統領は政策金利引き上げでインフレをコントロールできると誤った判断を下したと2004~2010年までアルゼンチン中銀総裁を務めたMartin Redrado氏は、コメントしている。
アルゼンチンの経済リセッションは、ブラジルの製造業特に自動車産業に大きな影響を与えると予想されており、アルゼンチン国内で販売される自動車の60%は、ブラジル製自動車となっている。
アルゼンチンのインフレを差引いた実質金利は、24.90%と為替危機に見舞われている2位のトルコの14.38%を10%以上上回って、世界最高の金利を余儀なくされている。
世界の実質金利3位はロシアの5.44%、ブラジルは4.20%で4位、インドネシア4.11%、メキシコ3.47%、インド3.22%、マレーシア2.37%、南アフリカ1.82%、コロンビア1.26%、世界平均は0.92%となっている。(2018年8月31日付けエスタード紙)