イタウー銀行並びにブラジル銀行、ブラデスコ銀行、サンタンデール銀行の4行は延滞率増加に反比例して、過去2年半にわたってクレジット部門を縮小していたが、今年第2四半期のクレジット総額は前年同期比4.3%増加に転じた。
今年6月末のインフレ指数を含まない上記4銀行の名目クレジット残高は、延滞率の減少に伴って前年同期比4.3%増加の2兆2,000億レアルに達し、2015年第3四半期のクレジット残高を突破している。
4大銀行の第2四半期の純益総額は、個人向けクレジット並びに中小企業向け法人クレジットが牽引して12.3%増加の178億レアルを記録、しかし金融市場関係者の予想180億レアルを僅かに下回った。
不透明な10月の大統領選挙を控えているにも関わらず、商業銀行のクレジット部門は、拡大傾向を継続するとブラジルサンタンデール銀行のセルジオ・リアル頭取は予想している。
延滞率やリスクの低い公務員並びに年金・恩給受給者向けの給与・年金口座連動型クレジット、住宅や自動車購入クレジットを中心に銀行スプレッドの低下傾向に伴って、今後はクレジット部門が徐々に拡大するとブラジル銀行のパウロ・カファレリ頭取は楽観視している。
今年第2四半期の4大銀行の不良貸付残高(PDD)は、延滞率の減少に伴って前年同期比24.3%減少の132億レアルまで減少、2016年第1四半期の半分以下まで減少している。
昨年第2四半期のブラデスコ銀行の不良貸付残高(PDD)は54億レアルであったが、今年第2四半期は36.1%減少の34億レアルに改善、前記同様にイタウー銀行は45億レアルから19.5%減少の36億レアル、ブラジル銀行は53億レアルから36億レアルに減少。唯一サンタンデール銀行は、24億レアルから26億レアルに増加している。(2018年8月10日付けヴァロール紙)