中国資本企業は、2003年~2018年6月の約15年間で総額540億ドルに達する投資をブラジル国内で行ったにも関わらず、その大半の投資は自社で一から設備や従業員の確保するのではなく、現地の企業を買収することで、被買収企業の既存の設備や従業員、チャネルや顧客を利用するブラウンフィールド投資となっている。
過去15年間の中国企業によるブラジル向け投資のうちブラウンフィールド投資は、対内直接投資の89%に相当する480億ドルに達しており、特に電力エネルギー部門並びに石油・天然ガス部門、鉱業部門に集中している。
また前記同様に中国企業による外国に投資をする際に法人を新しく設立して、設備や従業員の確保、チャネルの構築や顧客の確保を一から行うグリーンフィールド投資は、全体の11%に相当する59億5,000万ドルに留まっている。
昨年まで3年間以上継続したブラジルの経済リセッションによるブラジル企業の株価低迷による時価総額の下落に伴って、中国企業によるブラジル企業の買収案件が加速している。
過去15年間の中国企業によるブラジル国内の直接投資のうちブラウンフィールド投資は72プロジェクトに対して、グリーンフィールド投資は29プロジェクトに留まっている。
また過去15年間の中国企業によるブラジル国内の直接投資のうち電力エネルギー部門向け投資は全体の47%を占めてトップ、石油・天然ガス部門は29%、鉱業部門向け投資は8%とこれらの3部門で全体の84%を占めている。 農畜産部門は4%、自動車部門4%、金融サービス部門は3%、その他が5%となっている。
中国企業による2008年までのブラジル向け投資は、環境ライセンス取得に3~4年を要するグリーンフィールド投資を中心に総額は僅か10億ドルに留まっていたが、利益回収が早いブラウンフィールド投資に切り替えている。
State Grid Corp of China社はCPFL Energia社の60%の株式を取得、China Three Gorges(CTG)社は、サンパウロ電力公社(Cesp)傘下のJupia水力発電所並びにIlha Solteira水力発電所を買収している。またChina Three Gorges(CTG)社は、過去5年間にパラー州並びにアマパ州、マット・グロッソ州で新規の水力発電所建設を手掛けている。
石油・天然ガス開発部門では、すでに中国企業3社がペトロブラス石油公社と共同出資、インフラ整備部門では、特に港湾並びに道路、鉄道コンセッション入札に参加している。(2018年7月17日付けエスタード紙)