2018年第1四半期の4大銀行の平均収益率は、6.5%の政策誘導金利(Selic)の約3倍に相当する18.3%に上昇、昨年同期のSelic金利は12.25%であったにも関わらず、平均収益率は17.2%に留まっていた。
民間銀行のサンタンデール銀行並びにブラデスコ銀行、イタウー銀行、公立銀行のブラジル銀行で構成される4大銀行の今年第1四半期の収益率アップは、サービス手数料の増加並びにクレジット部門の延滞率低下などが要因となっている。
今年第1四半期のサンタンデール銀行の収益率は、前年同期の15.9%から19.1%と3.0%ポイント以上上昇して、コンペチターのブラデスコ銀行の収益率18.6%を追い越しており、今年は更なるマーケット拡大をターゲットにしていると同行のセルジオ・リアル頭取は強調している。
2016年10月の政策誘導金利(Selic)14.25%から連続12回に亘って切り下げられて6.5%まで低下しているにも関わらず、大手銀行では、収益率アップのためリスクが高い個人向けクレジット並びに中小企業向けクレジット拡大戦略を採用している。
景気回復に伴ってクレジットの延滞率は低下傾向を示しており、今年第1四半期の貸倒引当金は、前年同期比21.6%の146億レアルに減少しているとイタウー銀行のCandido Bracher頭取は説明している。
また各大手銀行ではインターネットバンキング利用増加並びに現金自動預け払い機(ATM)増設に伴って、積極的な銀行支店閉鎖並びに希望退職制度導入による従業員削減を積極的に行ってコスト削減に結び付いている。
今年第1四半期のサンタンデール銀行の収益率は、前年同期の15.9%から19.1%に増加、前記同様にブラデスコ銀行は18.3%から18.6%に増加、イタウー銀行は22.0%から22.2%に増加、ブラジル銀行は12.4%から13.2%に増加している。
サンタンデール銀行の純益は、22億8,000万レアルから28億5,900万レアルに増加、ブラデスコ銀行は46億4,800万レアルから51億200万レアルに増加、イタウー銀行は61億7,600万レアルから64億1,900万レアルに増加、ブラジル銀行は25億1,500万レアルから30億2,600万レアルに増加している。
またサンタンデール銀行のクレジット総額は、3,254億9,300万レアルから3,539億2,000万レアルに増加、貸倒引当金総額は、22億6,400万レアルから26億5,200万レアルに増加している。
前記同様にブラデスコ銀行は5,027億1,400万レアルから4,866億4,500万レアルに減少、52億8,200万レアルから38億9,200万レアルに減少、イタウー銀行は5,869億9,800万レアルから6,010億5,600万レアルに増加、52億8,100万レアルから37億8,800万レアルに減少、ブラジル銀行は6,886億8,900万レアルから6,756億4,500万レアルに減少、57億5,700万レアルから42億4,400万レアルに減少している。(2018年5月11日付けヴァロール紙)