ブラジル中央銀行は、景気刺激策の一環として銀行クレジット促進並びにスプレッド金利低下、コスト削減などを目的に、4月若しくは5月から中銀向け強制預託金の比率引き下げを発表した。
中銀は、強制預託金の比率引き下げによる金融市場へのクレジット効果は257億レアルに相当すると発表、この257億レアルは、中銀の2月末の強制預託金総額3,950億レアルの5.0%に相当する。
中銀ではクレジットコスト削減のために、強制預託金の規制簡素化、全てのクレジットカード使用可能な現金自動預け払い機(ATM)の統一化、小売業者に対する現金払い並びに分割払い、クレジットカードや一般的に特別小切手税と呼ばれる口座借越残クレジット金向け金利自由化などを継続して検討している。
銀行口座預金に対する強制預託金比率を40%から25%、ポウパンサ預金に対する強制預託金比率を24.5%から20%、特に農村ポウパンサ預金に対する強制預託金比率を21%から20%にそれぞれ下げることを国家通貨審議会(CMN)は承認している。
中銀法規制担当のオタヴィオ・ダマゾ取締役は、今回の強制預託金比率の引き下げは、世界金融危機前の2008年のレベルまで低下して、銀行の金利スプレッド引き下げに繋がると説明している。
今回の強制預託金比率の引き下げは、政策誘導金利(Selic)の0.25%引下げよりも効果が薄いとコンサルタント会社MB Associados社エコノミストのセルジオ・ヴァーレ氏は説明している。
またヴォトランチン銀行チーフエコノミストのロベルト・パドヴァーニ取締役は、現在の銀行クレジットの需要は企業を中心に非常に弱いので、強制預託金比率の引き下げ効果は限られていると説明している。(2018年3月29日付けエスタード紙)