昨日、中銀の通貨政策委員会(Copom)では、全会一致で政策誘導金利 (Selic)を現在の6.75%から0.25%切下げて6.50%に決定して過去最低の金利を記録したにも関わらず、次回5月の通貨政策委員会でも更にSelic 金利を0.25%切下げて6.25%になる可能性を示唆して、金利切下げサイクル終焉が予想に反して不透明となってきている。
中銀の通貨政策委員会(Copom)のSelic 金利の切下げは、2016年10月の14.25%から連続12回に亘って切り下げられており、次回5月の通貨政策委員会で更に0.25%切下げて6.25%になれば13回連続での金利引き下げとなる。
通貨政策委員会では、今年のインフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)を前回予想の4.2%から3.8%に下方修正、2019年は4.1%を予想、連邦政府が容認しているインフレ中央目標値4.5%をそれぞれ下回る良性インフレを予想している。
サンタンデール銀行エコノミストのマウリシオ・モロン氏は、5月でのCopom委員会での0.25%のSelic 金利の切下げを予想しているものの、今後もインフレ指数が更に下がるならば、今年末のSelic 金利は、6.0%以下になる可能性を否定していない。
今回のSelic 金利の6.5%への切下げで、ブラジルのインフレ指数を差し引いた実質金利は2.89%に減少した結果、世界最高のアルゼンチンの実質金利6.04%、トルコ5.31%、ロシア3.68%、メキシコ3.66%に次いで5位に低下している。
昨年まで世界最高金利を維持していたブラジルは、今回の0.25%の金利切下げで5位に低下、ブラジルに次いでインドは2.86%、インドネシア1.43%、コロンビア1.23%、中国1.19%、南アフリカは1.12%を記録している。
2016年10月のSelic金利14.25%から今回のSelic金利は54.5%減少の6.50%と1年半で50%以上減少、前記同様にクレジットカード金利は、延滞率などリスク要因で依然として高くスプレッド金利が下がらないために1年半前の457.21%から30.53%減少の317.61%を記録している。
前記同様に個人向け金利は、73.13%から12.70%減少の63.84%、特別小切手と呼ばれるクレジット金利は、311.43%から僅か4.84%減少の296.33%、自動車購入向けクレジット金利は、31.68%から17.67%減少の26.08%を記録している。(2018年3月22日付けエスタード紙)