サンパウロ証券取引所(BM&FBovespa)と証債権取引決済・保管センター(Cetip)が合併して設立されたB3社の昨日のサンパウロ平均株価指数(Ibovespa)は、一時8万ポイントを超える8万200ポイントを記録したにも関わらず、昨日の終値は前年比0.10%高値の7万9,881ポイントで記録を更新している。
米国の格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、先週11日にブラジルの長期ソブリン格付けを今年10月の大統領選や年金制度改革を巡り不透明感が高まっていることを背景として、「BB」から「BBマイナス」に引き下げた。しかし格付け見通しは「ネガティブ」から「安定的」として、短期間の再度の格下げの可能性を否定していた。
また2019年度の連邦政府の財政プライマリー収支は、1,500億レアル~2,000億レアルの赤字補てんをするために、財政責任法に触れてテーメル大統領の罷免に繋がる可能性のあるゴールデン・ルール変更に対して、今週Moodys社は、ブラジルの長期ソブリン格付けに対して厳格な警告を発している。
2月19日に予定されている年金・恩給改革法案の国会承認、厳しい財政再建など問題は山積みしているにも関わらず、過去最低の金利やインフレ指数、失業率低下やクレジット拡大で、今後も株価上昇に対して海外投資家は楽観視しているとコンサルタント会社Macrosector社アナリストのファビオ・シルヴェイラ氏は指摘している。
B3傘下のサンパウロ証券取引所(BM&FBovespa)の海外投資家の投資金推移では、2013年は30億6,100万レアルの流入残の黒字を記録したが、2014年は2,100万レアルの赤字、2015年は4億3,550万レアルの黒字、2016年は13億6,100万レアルの大幅赤字、2017年は一転して22億4,900万レアルの黒字を計上、2018年は35億8,400万レアルの黒字計上が予想されている。(2018年1月17日付けエスタード紙)