今年9月のドルの為替は一時R$3.09と大幅なドル安を記録したが、先週は来年の地方統一選挙に対するテーメル政権の政治工作不発による年金・恩給改革をはじめとした構造改革の先送りなどの要因で、ドルの為替がR$3.30まで進んで6.0%近くのドル高の為替傾向になっていた。
Valor Data社の12金融機関対象の為替調査によると、今年末のレアル通貨に対するドルの平均為替はR$3.10、2018年はR$3.30を予想しているものの、Credit Suisse銀行では、今年末の為替はR$3.20、2018年はR$3.30とそれぞれドル高に修正している。
大半の金融アナリストは、今年並びに来年のブラジルの経常収支は小幅な赤字に留まり、3700億ドル以上の外貨準備高、今年の貿易収支700億ドル以上の黒字予想、2018年のGDP伸び率の2.5%予想、過去最低となる銀行金利、コントロールされているインフレ指数などの要因で、年末にかけてドル安傾向の為替になると予想している。
Santander Asset社では、700億ドル突破予想の貿易黒字による余剰ドルが牽引して、今後数カ月間以内にレアル通貨に対するドルの為替は、R$3.00前後になると予想している。
テーメル大統領は、過去最低となる支持率でも辛うじて政権を維持しているが、年金・恩給改革を達成する政治工作の失敗で、年内の年金・恩給改革の国会承認は不可能と見込まれている。
Valor Data社の12金融機関対象の為替調査では、BofAの2017年末のドルの為替はR$3.15.2018年はR$3.30を予想、前記同様にモルガン・スタンレーはR$3.05、R$3.30を予想している。
2017年末のドルの為替予想で最もドル高の為替予想はBBHのR$3.45,2018年の為替はR$3.55を予想、一方今年末のドル安の為替予想は、Santander Asset社並びにCredit AgricoleのR$3.00となっている。
Citiの2017年末のドルの為替予想はR$3.08,2018年はR$3.22、前記同様にイタウー銀行はR$3.25、R$3.50、ブラデスコ銀行はR$3.10、R$3.20、UBS銀行はR$3.10、R$2.90、Deutsch BankはR$3.10、R$3.30をそれぞれ予想している。(2017年11月8日付けヴァロール紙)