テーメル大統領がペトロブラス汚職捜査で勾留中の前下院議長エドゥアルド・クーニャ被告への黙秘に対する支払いを承認する様子を密かに録音したテープを大手食肉加工会社JBS社の幹部2人が最高裁判所に提出したことがメディアで漏れて、テーメル大統領の進退問題の発端となっている。
昨日JBS社の共同経営者のジョエズレイ・バチスタ氏は、負債軽減のために自社資産放出で60億レアルの資金調達計画を公表、また先週にもJBS社グループのアルゼンチン並びにパラグアイ、ウルグアイでのグループ企業放出で10億レアルの資金調達を発表していた。
今回の自社資産放出による60億レアルの資金調達計画の中には、酪農製品メーカーVigor Alimentos社の19.2%の持ち株式放出、 アイルランドの鶏肉並びに食品加工のMoy Park社、米国やカナダに所有している Five River Cattle Feeding農場などが含まれている。
JBS社の短期返済期間が迫っている負債総額は180億レアルに達しているために、今回の60億レアル調達で自社の運転資金総額は50%増加の170億レアルに達するとJP Morgan社では見込んでいる。
資産総額が98億レアルと見込まれている紙・パルプメーカーのEldorado Celulose社に対して、チリ資本Arauco社とブラジル資本 Fibria社が買収に名乗りを挙げているが、JBS社傘下のJ&F社はチリ資本Arauco社と交渉を継続している一方で、親族関係者はFibria社による買収も否定していない。
またJBS社がヨーロッパ市場での拡大目的で買収していたMoy Park社の放出には、米国資本のSmithfield Foodsを傘下に収める中国資本WH社並びに米国の大手食品企業Tyson Foods社が買収に名乗りを挙げている。
ブランドサンダルHavaianasを製造するAlpargatas社の買収には、外資系投資ファンドのCarlyle社並びに Tarpon社、 Advent社が名乗りを挙げている。また英大手投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズもVigor社の買収を検討していると市場関係者の間で話題となっている。
JBS社の共同経営者である双子兄弟のジョエズレイ・バチスタ氏とウエスレイ・バチスタ氏は、Eldorado Celulose社並びにAlpargatas社の売却では仲介銀行を通さずに直接買収交渉を行っている。
しかしVigor社の売却ではサンタンデール銀行並びにブラデスコ銀行の仲介を求めており、米国資本Pepsico社並びにメキシコ資本Lala社が買収に食指を伸ばしていると食品業界関係者は予想している。
JBS社ではMoy Park社の買収に15億ドルを投資、またAlpargatas社の買収には27億レアルを投資している。負債総額が80億レアルに達するEldorado Celulose社の売却金額は98億レアル~103億レアルが予想されている。
JBS社ではEldorado Celulose社並びにAlpargatas社、Vigor社の売却以外に衛生用品メーカーFlora社並びにBanco ORIGINAL銀行、電力エネルギー関連Ambar社、米国並びにオーストラリア、カナダでの肉牛飼育並びに生産事業を手掛けるOKLAHOMA社、ブラジル国内での肉牛の飼育並びに農業関連事業を手掛けるFioresta Agropecuaria社、農畜産関連メディア事業のCANAL RURAL社などの売却を予定している。 (2017年6月21日付けエスタード紙)