昨日開催された中銀の通貨政策委員会(Copom)では、現在の政策誘導金利 (Selic)11.25%を1.0%引き下げて10.25%に決定、5月17日に発覚したテメル大統領がペトロブラス汚職捜査で勾留中の前下院議長エドゥアルド・クーニャ被告への黙秘に対する支払いを承認する様子を密かに録音したテープを大手食肉加工会社JBS社の幹部2人が最高裁判所に提出したとの「O Globo」紙の報道以前の予想では、Selic 金利の1.25%の切下げ予想が大半を占めていた。
JBSオーナーによる報償付の司法取引証言でテメル政権の行方が不透明となり、目前に迫っていた労働法改正並びに年金・恩給改革など一連の構造改革案の国会審議が大幅に遅れると予想されている影響で、次回の7月末開催予定の中銀の通貨政策委員会(Copom)でのSelic金利の切下げ幅は、0.75%に留まると予想されている。
今回の政策誘導金利 (Selic)の10.25%への切下げは、2013年末以降では最低のSelic金利を記録しているが、今年のインフレ指数は、連邦政府の中央目標値4.5%を下回る4.0%が予想されていたため、大半の金融スペシャリストは、1.25%のSelic金利の切下げを予想していた。
中銀では今年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は、連邦政府が容認している許容上限値6.0%~許容下限値3.0%以内の4.0%、2018年のIPCA指数は4.6%を見込んでいる。
テメル政権の継続いかんに関わらず、労働法改正並びに年金・恩給改革の国会審議は大幅に遅れると予想されており、また次回7月のSelic金利の切下げ幅は0.75%に留まるとコンサルタント会社4E社エコノミストのチアゴ・クラド氏はコメントしている。
Infinitey Asset Management社の40か国対象のインフレ指数を差引いた実質金利調査では、今回のSelic金利の1.0%の切下げにも関わらず、ブラジルの実質金利はロシアの4.57%に次ぐ4.30%で世界2位となっている。
インフレ指数を差引いた実質金利の比較では、ロシアの実質金利が4.57%でトップ、続いてブラジルの4.30%、トルコ3.63%、インドネシア3.36%、コロンビア2.57%、メキシコ1.96%、インド1.67%、中国1.56%、南アフリカ1.33%、アルゼンチンは0.73%となっている。(2017年6月1日付けエスタード紙)