リーマンブラザース銀行破綻をきっかけとした世界金融危機後に民間銀行が一斉にクレジット枠を縮小したのに反して、ルーラ元大統領やジウマ前政権では、景気後退を防ぐためにブラジル銀行や連邦貯蓄金庫に対して、低金利でのクレジット拡大を奨励して公立銀行のマーケットシェアが拡大傾向となっていた。
世界金融危機で中小銀行を中心とした民間銀行は、クレジット縮小を余儀なくされて銀行業界の淘汰が進んで大銀行による寡占化が進んだ影響で、ブラジル銀行並びにイタウー銀行、連邦貯蓄金庫、ブラデスコ銀行のマーケットシェアが益々上昇してきている。
2000年のブラジル銀行並びにイタウー銀行、連邦貯蓄金庫、ブラデスコ銀行の4行の総資産は、全銀行の総資産の50.4%であったにも関わらず、大銀行による中小銀行の買収・合併の影響で、現在4行の総資産は72.4%まで寡占化が進んでいる。
2008年にイタウー銀行とウニバンコ銀行合併によるイタウ・ウニバンコ・ホールディング誕生、またブラジル銀行がサンパウロ州政府系銀行であるNossa Caixaを買収、2015年には国内2位の民間銀行であるブラデスコ銀行は、国内7位のHSBC銀行ブラジル国内部門を52億ドルで買収している。
中銀の統計によると、ブラデスコ銀行によるHSBC銀行ブラジル国内部門の合併前の4大銀行のマーケットシェアは67.5%であったが、HSBC銀行ブラジル国内部門合併後の4大銀行のマーケットシェアは、5.0%上昇の72.5%に達している。
2016年10月にイタウー銀行は、7億1,000万レアルでブラジル国内10位のCitibank 買収を発表、日本の公正取引委員会に相当する経済防衛行政審議会(Cade)がCitibank 買収を承認すれば4大銀行のマーケットシェアは80%に達すると予想されている。
ブラジルの4大銀行の寡占状態はオーストラリア並びにカナダ並みであり、過剰な寡占状態になっていないとブラジル銀行協会連盟(Febraban )では説明、一方中銀は、今年4月に2外資系銀行によるブラジル国内の支店開設を予定している。(2017年1月16日付けエスタード紙)