2年連続でブラジルの国内総生産伸び率(GDP)は、マイナス3.0%を大幅に上回ると予想されているにも関わらず、今年の海外投資家による製造業部門向け対内直接投資は好調に推移すると予想されている。
2015年の海外投資家による製造業部門向け対内直接投資(IDP)は750億ドルを記録、昨年11月の過去12カ月間のIDP投資総額は788億ドルに達しており、中銀では今年の平均IDP投資総額を750億ドルと予想している。
またValor Data社の15金融機関の調査によると、今年の平均IDP投資総額は、継続する高金利並びにレアル通貨に対するドル高の為替の継続で700億ドルを予想、今年の経常収支赤字をカバーすると予想している。
2年以上継続するブラジル国内の経済リセッションにも関わらず、今年のブラジル国内銀行の二桁台を維持する高金利やドル高の為替、株価低迷による時価総額の低迷、負債軽減するためのブラジル大手企業のコア事業以外の企業放出などの要因で、海外投資家にとってブラジル企業買収は、掘出物に相当するため対内直接投資継続につながっている。
新興国向け対内直接投資は縮小傾向にあり、また世界の製造業メーカーが集中していた中国向け投資は長期にわたって継続していたが、最近の中国経済の減速並びにリスク分担のために減少傾向に転じている。
また石油の国際コモディティ価格が低迷して大きな影響を受けているロシア向け投資は、ブラジルやインド以上に宗教並びに言語学、文化面などの問題で直接投資対象から外れているとサンパウロカトリック大学のアントニオ・コレア・デ・ラセルダ教授は説明している。
OECD加盟国の対内直接投資調査によると、2016年6月の過去12カ月間の中国向け対内直接投資(IDP)は32.0%、ロシア向けは19.4%とそれぞれ大幅に減少、しかしブラジル向けは僅か2.3%減少に留まっている。
Mapfre Investimentos社チーフエコノミストのルイス・アフォンソ・リマ氏は、ドナルド・トランプ氏の次期アメリカ大統領就任による世界経済構図の不透明感で、今年のブラジル向け対内直接投資(IDP)は、620億ドルに留まると予想している。
国連貿易開発会議(UNCTAD)調査によると、2018年の世界の対内直接投資予想ランキングによると、ブラジル向け投資は2016年の4位からドイツ並びに日本に抜かれて6位に後退、米国は中国を追い越してトップに上昇している。
Fator銀行チーフエコノミストのジョゼ・フランシスコ氏は、年金・恩給改革は大幅な修正を強いられると予想、またカントリーリスクや為替変動などを考慮すれば650億ドルに留まると予想、最も楽観的なシナリオでは800億ドルを見込んでいる。
レアル安の為替で海外投資家にとってブラジル企業のM&Aは非常に魅力的な物件となっており、今年は700億ドルが流入するとサンパウロカトリック大学のアントニオ・コレア・デ・ラセルダ教授は予想している。(2017年1月9日付けヴァロール紙)