2年以上継続する国内経済リセッションや失業率増加、高止まりするインフレによる実質賃金の目減り、クレジット負債増加、政策誘導金利(Selic)高に伴う他の確定金利付き投資ファンドへの流出などの要因で、一昨年からポウパンサ預金の引き出しが続いている。
昨年1年間のポウパンサ預金の引出額が預金額を407億レアル上回り、2015年の引出残高535億6,000万レアルに次いで、過去21年間では2番目の引出残高を記録している。
昨年1年間のポウパンサ預金の引出総額は1兆9,900億レアル、預金総額は1兆9,500億レアル、しかし13か月目サラリーが分割支給された昨年11月のポウパンサ預金は、積立残高が18億8,000万レアル、12月は106億7,000万レアルの黒字を計上していた。
インフレ指数の高止まりによる実質賃金の目減りで、低所得者層を中心に生活費補助のための引出及び貯金への余裕低下の影響で、ポウパンサ預金からの引出が継続しているとブラジル金融・経営・経理部門エグゼクティヴ協会(Anefac)のミゲル・ジョゼ・リベイロ氏は説明している。
ブラジルで一番手軽な銀行での貯金オプションである1ヶ月定期預金のポウパンサ(poupança)は、最低預入額が極めて低くて非課税、毎月の満期日以前に引き出してしまうとその月の利息は受け取れないにも関わらず、いつでも引き出しが可能な流動性のある預金として一般に広く利用されている。
現在のポウパンサ預金の金利は、政策誘導金利 (Selic)の年利が8.5%以上の場合は年利6.0%プラス参考金利(TR)となっているが、現在のSelic金利は13.75%と非常に大きな金利差が生じているために、ポウパンサ預金からの逃避は当分続くと予想されている。
コンサルタントのEconomatica社では、2016年のサンパウロ平均株価指数の収益は38.94%、銀行間預金ファンドの平均年利は14.0%でポウパンサ預金の年利8.3%を大幅に上回っている。
ブラジル地理統計院(IBGE)から近日中に正式発表される2016年のインフレ指数の広範囲消費者物価指数(IPCA)は6.38%前後が予想されている一方で、インフレ指数を差引いたポウパンサ預金の実質金利は2.0%を下回ると予想されている。(2017年1月6日付けエスタード紙)