2015年末の年金ファンドの赤字総額は770億レアルであったにも関わらず、僅か半年後の今年6月末には、70億レアル増加の840億レアルに達しているとブラジル民間非公開年金協会(Abrapp)は発表している。
Abrapp協会加盟の年金ファンドでは、ファンド加入者への年金支払いを確保するために今年の最低目標収益率を15.19%に設定しているにも関わらず、今年上半期の収益率は目標収益率8.5%を下回る8.44%に留まった。
現在の政策誘導金利(Selic)は14.25% 、年末のSelic金利は13.75%を予想しており、今年の加盟の年金ファンドの平均収益率は16.14%に達するとブラジル民間非公開年金協会(Abrapp)では予想している。
今年上半期末の年金ファンドの預金残高は、前年同期比13.3%増加の7,630億レアルを記録して過去4年間では最高の収益率を記録、年金ファンドの投資金の確定金利付き投資比率は72%に達している。
ブラジル民間非公開年金協会(Abrapp)の調査では、2014年の年金ファンドの投資策として確定金利付き投資は56%であったが、昨年はSelic金利の上昇に伴って68%に上昇、今年はSelic金利の高止まりで72%に引き上げて収益率が上昇している。
しかしSelic金利が一桁台まで減少していた3年前の多くの年金ファンドは、確定金利付き投資比率を下げてハイリスクハイリターンの投資比率を引き上げていた経緯があった。
ペトロブラスが資本参加をしてプレソルトの原油・天然ガス開発向け28隻のプラットフォームFPSO建造する目的で2011年に設立されたSete Brasil社に大型投資を行っていた連邦貯蓄金庫年金基金(Funcef)並びにブラジル銀行年金ファンド(Previ)は大きな赤字計上を余儀なくされていた。
Abrapp協会による製造業を中心とした113社対象の年金ファンド投資調査では、投資先として確定金利付き投資に85%を振り分けており、収益率は低いにも関わらず、加入者への確実な年金配当確保のために安全な投資先を優先している。
先週、連邦警察は公社職員の年金ファンドを巡る不正容疑を摘発するグリーンフィールド作戦を展開して8州で、容疑者に対して一斉に家宅捜査を行って物件押収や強制連行、事情聴取による一時逮捕などを敢行している。
不正が行われていたと考えられる年金ファンドは、連邦貯蓄銀行の年金ファンド(Funcef)、ペトロブラスの年金ファンド(Petros)、ブラジル銀行の年金ファンド(Previ)と郵便局の年金ファンド(Postalis)で損害総額は80億レアルに達すると予想されている。(2016年9月13日付けエスタード紙)